神戸市立医療センター西市民病院(同市長田区)で筋弛緩剤が紛失していたことが10日、わかった。4〜5人分の致死量にあたるという。同病院は県警に紛失届を提出した。
 
同市などによると、紛失したのは筋弛緩剤4ミリグラム入りアンプル計8本。9日午前10時ごろ、同病院手術室で、薬剤師らが医薬品棚を点検していたところ、アンプルが足りないことに気づいたという。
 
薬品棚の鍵は通常どおりかかっており、鍵は医師が保管していた。8日午前の点検では薬品はそろっていたという。同病院は院内を調査しアンプル数を確認したが、発見できず、9日に長田署に相談していた。
(筋弛緩剤紛失 4、5人分の致死量 神戸市西市民病院)


筋弛緩薬とは、神経・細胞膜などに作用して筋肉の動きを弱める薬です。骨格筋の弛緩を生ずる薬物には、末梢性に運動神経筋接合部に作用するものと、中枢神経に作用するものがあります。

筋弛緩薬は、全身麻酔導入時や手術の際に用いられます。気管内挿管や、筋緊張が術野確保の障害となる場合、手術侵襲による反射的筋収縮の抑制などのために用いられます。ほかにも、骨折を整復するときや痙攣やジストニアなどの不随意運動の抑制にも用いられます。

ですが、正しく用いられない場合、呼吸不全などの重篤な症状を来たし、死に至る場合があります。天然の筋弛緩をもたらす薬物としては、フグ毒であるテトロドトキシンや、ボツリヌス菌の毒素ボツリヌストキシン(これは、顔のシワをとるのに美容整形で使われていたりします)があり、毒物のイメージが強いのではないでしょうか。

医療現場では、筋弛緩薬だけでなく保管に注意を要する薬品が多く存在します。管理システムに関して、再考されることが望まれます。

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