美容のための豊胸手術を受けた女性は自殺する確率が3倍高くなる、という衝撃的な調査結果が発表された。国際伝染病研究所(メリーランド州)のローレン・リップワース医師は「5つの調査のうち、1つが豊胸手術を受けた女性の自殺率が高いことを示した」という。

1965年から93年の間に豊胸手術を受けた3500人のスウェーデン人女性を対象に、術後19年までの死因を調査。その結果、24人が自殺していた。自殺率は45歳以上の女性の場合、手術を受けない人より7倍も高かったという。
 
その原因は明確ではないが、リップワース医師は「豊胸手術を受ける前に不安だったという女性が多いのかもしれない。手術から10年か20年後に精神の不安定が再発または悪化するのでないか」と推測する。自殺のほかに精神的な障害による死亡、アルコールや麻薬中毒に陥りやすいのも豊胸手術を受けた女性の特徴だという。

ペンシルベニア医科大のデービッド・サーワー助教授は「勤務先での昇進や結婚生活の継続を目的にした手術はよくない。病後に見栄えをよくするなどの理由で受ける手術はよい。とはいえ、手術による利点も多く、悪い人生の結末を迎える人はごくわずかだ」と話している。
(豊胸手術は自殺を高める 3−7倍に)


豊胸手術とは、その名の通り乳房を大きくする手術を指します。一般的には、豊胸手術は人工乳房を乳房の下に埋め、乳房を下から持ち上げて、バストのボリュームを上げるものです。

人工乳房は上記の通り、乳房の下に生食バッグを埋め、乳房組織には埋めません。ですので、手術後の型くずれや乳癌の心配はないとされています。以前では、シリコンバッグを胸に埋め込んでいましたが、漏出して乳癌の要因となる事や、仕上がりがボールのような不自然に真ん丸な円形になることが問題視されていました。

最近では、食塩水が注入されたバッグを胸に埋め込みます。また、脂肪吸引を同時に行う場合は、脂肪注入を行うところもあるそうです(ですが、脂肪が吸収され、結果として小さくなってしまったり形成が難しいなどの難点や感染症のリスクなどが指摘されています。また、乳腺学会などにおいて美容外科における膿瘍形成の報告が多く、決して安全な治療とは認められていないことや、石灰化することで乳癌検診の際に引っかかることなどが問題視されています)。

胸の発育不良や乳房の大きさが左右で違う人、性転換手術(性適合手術)の一環としての手術などを除き、一般的には「美容面」で豊胸手術を望まれるのではないでしょうか。「人生が、何か変わるのではないか」という希望をもって、意を決するのであると思われます。

「何かを変えたい。自分の人生に不満がある」という希望は、誰しも大なり小なりあるかと思われますが、やはり手術という経済的にも肉体的にも負担が大きいことを決意する(決意せざるをえない)状況にある人は、もしかしたら「何らしらかのプレッシャー」に必死で抗おう、苦境を変えよう、としている人が多いのではないでしょうか。

美容整形は、外見だけでなく、内面にも大きく作用するものだと思います。となると、術前・術後の心のケアが実は非常に重要なものであると思われます。

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