北海道土産として知られる菓子「白い恋人」を製造する札幌市の菓子会社「石屋製菓」(石水勲社長)は14日、アイスクリームとバウムクーヘンからそれぞれ大腸菌群と黄色ブドウ球菌が検出されたと発表した。保健所に報告せず隠ぺい、保健所の抜き打ち検査で発覚した。いずれも食中毒の原因となる恐れがある。

白い恋人の一部でも賞味期限を偽っていたことを明らかにし、これらの商品の自主回収を始めた。健康被害の報告はないという。

石水社長は同日夜に記者会見し、隠ぺいや賞味期限偽装は同社の伊藤道行統括部長の指示だったことを明らかにした。社長は知らされていなかったとしている。伊藤部長は隠ぺいについて「魔が差した」と話している。

札幌市は15日、3つの商品を製造した本社工場(西区宮の沢)を立ち入り検査する。
大腸菌群検出を隠ぺい 「白い恋人」の石屋製菓


大腸菌は腸内細菌でもあり、温血動物(鳥類、哺乳類)の消化管内、特に大腸に生息します。そのため、この菌の存在は糞便による水の汚染を示唆し、河川、湖、海水浴場などの環境水の汚れの程度の指標として用いられています。また、水道水からは「検出されてはならない」とされています。

もちろん、体内にも存在しているため、無害となることが多いですが、いくつかのケースでは疾患の原因となることがあります。

たとえば、血液中や尿路系に侵入した場合に病原体となります。内毒素を産生するため、大腸菌による敗血症は重篤なエンドトキシンショック(細胞内毒素とよばれ、場合によっては死亡してしまいます)を引き起こしてしまいます。敗血症の原因として最も多いのは、尿路感染症ですが、大腸菌は尿路感染症の原因菌として最も多いものです。とくに、女性では尿道と肛門の位置が近いため、尿路感染症を起こしやすいとされています。

また、大腸菌の一部では、動物に害となりうる性質を持つものもあります。大部分の健康な成人の持っている株では下痢を起こす程度で 何の症状も示さないものがほとんどですが、幼児や高齢者、病気などによって衰弱している人、免疫機能の低下している人では、重篤な状態になって、時として死亡に至ることもあります。

中でも、特に強い病原性を示すものは病原性大腸菌とよばれます。とくに腸管出血性大腸菌の中でもO157は有名ではないでしょうか。血液中にもベロ毒素が取り込まれるため、血球や腎臓の尿細管細胞を破壊し、溶血性尿毒症症候群(急性腎不全・溶血性貧血)急性脳症なども起こることがあり、急性脳症は死因となることがあります。

黄色ブドウ球菌は、ヒトや動物の皮膚、消化管常在菌(腸内細菌)であるブドウ球菌の一つです。膿瘍などの様々な表皮感染症や食中毒、また肺炎、髄膜炎、敗血症等致死的となるような感染症の起因菌でもあります。

健康被害の報告はなかったようですが、食品の安全性や表示問題が深刻化している昨今、こうした問題が二度と起こらないことを望みます。管理体制のチェック機構を見直し、安全性を確保できない製造元や偽装表示を行っている製造会社には厳罰化で臨むなど、今後の対応が求められます。

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