19日午前3時半ごろ、水戸市水府町の青柳公園内にある屋外市民プールで、茨城県立高校2年の男子生徒(16)から、「プールに飛び込んだ友人が浮かんでこない」と119番があった。駆け付けた消防隊員がプールの底から市内のとび職の少年(16)を救助したが、搬送先の病院で死亡した。死因は水死。

県警水戸署の調べでは、少年は午前3時20分ごろ、高校生の友人2人とともに公園の門を乗り越えてプールに入り込み、高さ10メートルの飛び込み台から全裸でプール(水深5メートル)に飛び込んだという。
(未明のプールに侵入、少年水死)


水死とは、口腔内から吸引された水といった液体が気道へ侵入し、肺に水がたまるなど、気道がふさがれるなどして引き起こされる窒息死の一種です。溺死ともいいます。

死亡者の内訳として高校卒業相当年齢以上65歳未満が557名、水死者全体の57.0%を占めています。65歳以上の高齢者284名 (29.1%) で、以下高校生相当年齢、未就学児童、小学生、中学生と続くそうです(2002年警察庁調べ)。

発生場所としては、海が一番多く、501名の死亡者が出ている。これは水死者全体の50%近くを占める。以下、河川282名(28.9%)、用水路106名(10.8%)、湖沼池67名(6.9%)、プール7名(0.7%)と続きます。

水死を招いてしまうのは、心臓の弱い人が海水浴に行ったとき、急な心臓発作が起こって溺れたり、心臓の強い水泳の選手であっても、急激に水温が下がるなど、何十キロと泳ぎ体力を消耗して溺れたり、湖の水面が凍ってると思って遊んでいたら、氷が破れて落ちて溺れたりなど、様々です。

今回のケースでは、飛び込みと言うこともあり、準備運動もなく、さらに急な温度低下が問題となっているのかも知れません。万が一、酔っていたという可能性もあれば(未成年ですので、無いとは思いますが)、さらにリスクは上がると思われます。

人間がはじめ溺れ始めると、息を無意識に吸おうとします。それが結果としてパニックを招いてしまい、何とか空気を吸おうと必死にもがくため、動悸を早めてしまい、もっと空気を必要とさせる→動くために必要な酸素がどんどん消費されるため、頭に回る酸素を少なくさせてしまい、さらに正常な判断ができなくなってしまう…という悪循環が起こります。

気管に水が入り、肺へと至ります。酸素欠乏状態から心停止、脳死を引き起こしてしまう可能性が起こってきます。溺れた人を水死させないためには、早期の発見、意識確認と早期の通報と早期の応急救護が必要となります。一般的に、心臓停止では3分たてば死亡率が50%、10分たてばほとんど生存が見込めなくなってしまいます。

どうして友人が近くにいながら、救助しようとしなかったのか不思議でなりませんが、結果として亡くなってしまったようです。潜り込んで泳ごうなどとは思わない方が身のためのようです。

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