米国で行われた調査で、どんな音でも音名を聞き分けられるという「絶対音感」の有無は、ある遺伝子が鍵となっている可能性が明らかになった。絶対音感は約1万人に1人が持つとされる。

カリフォルニア大学サンフランシスコ校のGitschier博士らの研究チームが27日、米国科学アカデミーの機関誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」で発表した。

研究チームは、ネット上での調査と基準音なしで音名を聞き分けるという音楽テストの結果3年分を分析。試験時間20分のこれらテストには、合計2200人以上が参加したという。

同博士は結果について「音名を聞き分ける能力は、概して有無が明確に分かれる現象であることに気付いた」と説明。この能力の背後には、1つか、もしくは2〜3の遺伝子が関係しているとの結論が導き出されたとしている。

同博士によると、おならの音名さえ正確に聞き分けられると主張する人もいた。
(絶対音感の有無、遺伝子が鍵である可能性)


あまりにも情報が漠然としすぎて、どうして『この能力の背後には、1つか、もしくは2〜3の遺伝子が関係しているとの結論が導き出された』という結論に至ったのか分かりませんが、もし本当ならば、絶対音感は、努力では身につけられない"特殊能力"のようなものだということになるのでしょうね。

ある程度音楽を学習したり体験した人は、2音間の音の高さの違いの大きさ(音程)に対して一定の感覚を保持することができます。普通、これを音感といって、一般的には、これは一方の音に比べて他方の音が高いか低いかという"相対的な"音感です。一方、音高自体に対する直接的な認識力を持つ場合、これを「絶対音感」と呼んでいるようです。

もし遺伝的な要素があるのならば、やはり音楽一家(こういう呼び名が適当かどうかはわかりませんが)に絶対音感を持つ人が多い、ということになるのでしょうか。ですが、これは環境による要因が関与しているかもしれません(音楽的な素養を養う環境にあるでしょうから)。この「絶対音感は遺伝子により有無が分かれる」ということは、実証するのは難しいように思います。

一時期、「習得には臨界期があり、3歳〜5歳くらいの間に意識的に訓練をするとかなりの確率で身につけることができるが、それを過ぎると習得は困難である」といった説がテレビで放送されていましたが、これの根拠も怪しい、とのこと。この謎な特殊能力が、解明されるときは来るのでしょうか?

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