大阪市で昨年7月、産気づいて救急搬送を依頼した30代の妊婦が19病院に受け入れを断られ、病院が見つからないまま自宅で出産していたことが7日、分かった。
 
大阪市消防局によると、妊婦は昨年7月24日午後8時10分ごろ、陣痛とみられる腹痛で自宅から119番。かかりつけ産科医がいなかったため、駆け付けた救急隊員が大阪府内の病院に順次、受け入れを要請した。
 
しかし「満床」などの理由で19病院が受け入れず、女性は救急車内で待機。陣痛が激しくなり自宅のトイレに戻った際、救急隊員2人の介添えで出産した。母子ともに健康で、約2時間後、受け入れ要請に応じた大阪市内の病院に運ばれた。
 
大阪市で昨年1年間に産科に搬送されたのは2673件で、かかりつけ医がいないなどの理由で救急隊が受け入れ先を探したケースが135件あったという。
 
消防局は「産科でも通常は平均2.3回の依頼で受け入れ先が見つかり、今回は特殊なケース」と説明。「かかりつけ医がいない場合は、情報がなくリスクが高いとの理由で、受け入れ先が見つかりにくい傾向があるようだ」としている。
(19病院に断られ…たらい回し自宅出産)


奈良県の荒井正吾知事は6日、定例会見で妊婦死産問題に触れ、ハイリスクの妊婦らに24時間態勢で対応するため、来年5月に開設予定の総合周産期母子医療センターについて時期は未定ながら、「一部でも前倒しで稼働させたい」と発表しています。

かかりつけ医がいない妊婦らの救急搬送が必要な場合にも、こうした総合周産期母子医療センターは受け入れられるわけです。ですが、一般の市民病院などでは、こうしたかかりつけ医がいない妊婦を断る傾向にあるようです。

というのも、多くのリスクをもっているかも知れないわけで、訴訟問題に発展することを嫌忌してのことや、子ども病院がセンターに指定されている場合、「妊婦に対応するのが難しい」という理由があるようです。結果、厚労省研究班アンケートで、中核病院の2割が「母体救急態勢が不安」と答えています。

今回のケースでは、『特殊なケース』と説明されていますが、果たしてそうでしょうか。今後、繰り返されることが予期されるように思います。大阪市には、是非とも総合周産期母子医療センターの拡充を期待したいと思われます。

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