心臓の移植手術を受けた英ハンプシャー州に住む女性、ジェニファー・サットンさん(23)がこのほど、展示された元の自分の心臓と“対面”した。サットンさんは「超現実的で奇妙な感じ」と語った。

サットンさんは18歳のときに拘束型心筋症と診断され、今年6月に心臓の移植手術を受けた。サットンさんは臓器移植に対する一般の意識を高めるのに役立てばと考え、取り除かれた元の心臓を心臓の医学・文化的重要性を探る展示会に出品することを了承した。
 
ロンドンで展示された自分の心臓と対面したサットンさんは、「自分の心臓を初めて見るのは感動的で超現実的な経験でした。この心臓は体の内部にあったときには私を非常に苦しめました。それがこのように展示されているのをながめるのは、非常に奇妙で不思議な気持ちです」と語った。
(心臓移植の女性が元の自分の心臓と“対面”)


拘束型心筋症とは、心室の拡張や肥大はなく心筋の収縮力も正常であるのに、心室が硬くて拡がりにくい状態(拡張不全)になっている疾患です。原因としては、不明(特発性)のものや、他の疾患(アミロイドーシスやサルコイドーシス、Fabry 病、悪性腫瘍の転移など)に伴って発症する場合があります。

症状としては、最初は無症状のこと多いですが、進行に従って、心不全、不整脈、塞栓症などがおこってきます。結果として、心不全の状態になると、息切れや息苦しさ(呼吸困難)、動悸、全身倦怠感、手足や顔のむくみ(浮腫)が現れてきます。さらに重症であると、黄疸、胸水、腹水などもみられることがあります。

治療法としては、対処療法としてうっ血性心不全の対策(主に利尿薬やジギタリス)や不整脈(心房細動が起こりやすいです。抗不整脈薬を用います。また、血栓・塞栓症の予防が必要となってきます)に対する治療を行います。

また、重症例で根治的に治療するには、上記ニュースのように、心臓移植をする必要があります。中でも、心アミロイドーシスの予後は非常に悪く、心異常が認められてから数年以内に亡くなることが多いようです。

自分の心臓を展示するとは驚きですが、こうしたことにより心臓移植への理解が高まり、ドナーとなる人が増えてくれれば、と期待されます。

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