日本イーライリリーは、効き目が36時間続くED治療薬「シアリス」を12日に発売すると発表した。同社初の開業医向けの製品。増員したMR(医薬情報担当者)が開業医に販促するとともに、インターネットの自社サイトで有効時間の長さなどをアピールし、先発のバイアグラ(米系ファイザー)とレビトラ(独系バイエル薬品)を追う。
 
シアリスは欧米で2003年に発売。06年の世界売上高は約10億ドルで、シェア33%と2位。日本のED治療薬市場は約100億円規模とみられ、10日に都内で開いた会見でニュートン・クレンショー社長は「日本でも同規模以上のシェアを狙う」と述べた。購入には医師の処方せんが必要。用量は5ミリグラムと10ミリグラム、20ミリグラムの3種類。保険適応外なので価格は医師や薬剤師が自由に決める。海外と同水準の1錠(20ミリグラム)1500円前後の見込み。
(日本イーライリリー、ED治療薬――効き目36時間に)


ED治療薬で有名なバイアグラ(シルデナフィル)の効果持続時間は、一般的に30分から4時間(もちろん、刺激になるようなものがなければ、硬化することはないそうです)とされています。それに比べると、非常に36時間という長時間作用することが新薬の特徴のようです。

従来のPDE5阻害剤では、効果継続時間が約4時間とされ、また、高脂肪食などにより影響を受けるとされているため、「タイミング」や食事内容や時間の心配があったそうです。ですが、36時間という長時間作用ならば、その心配もなく、時間的な問題や食事による影響は少ないとのことです。

値段的としても平均的で、時間を考えればお得なようです。ですが、その作用機序は変わらないため、以下のような人は服用を避けた方が良さそうです。
1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴がある。
2)硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド等)を服用中
3)心血管系障害を有するなど性行為が不適当と考えられる方
4)重度の肝機能障害のある方
5)低血圧の方(血圧<90/50 mmHg)又は治療による管理がなされていない高血圧の方(安静時収縮期血圧>170 mmHg又は安静時拡張期血圧>100 mmHg)
6)脳梗塞・脳出血や心筋梗塞の既往歴が最近6カ月以内にある方(6ヶ月以前にこれらの病気にかかった場合には慎重に使用する必要があります。場合によっては、心血管系の病気の有無を調べる必要がありますので、必ず医師に申し出て下さい)
7)網膜色素変性症の方


果たして、国内シェアは変わるのか興味あるところです。

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