ベネズエラで死亡宣告を受けた男性が、検視解剖による極度の痛みで目を覚まして蘇生するという事件があった。

高速道路で交通事故に遭ったカルロス・カメホさん(33)は、死亡宣告を受けた後に遺体安置所に搬送された。そこで検視作業が開始されたが、カメホさんの体から出血が始まり、検視官らは間違いに気付いたという。その後、検視官らは急いで顔の切開部分を縫合しようとした。カメホさんは14日付のウニベルサル紙で「耐え難い痛みで目が覚めた」とコメントしている。

今回の件について、病院関係者の確認は今のところ取れていないが、同紙には、カメホさんの顔面の傷跡と検視解剖の手続き文書が掲載された。
(死亡宣告を受けた男性、検視解剖の痛みで「蘇生」)


「検視解剖」は、違和感のある言葉です(日本とは異なるのでしょうか?)。「検視」とは、検察官(または代行として司法警察員)が行う死体検分のことです。当然のことながら、こちらには解剖は含まれません(解剖する資格を有してません)。

一方、医師が行うのは検死(もしくは検案と呼ばれる)と表記されることが多いようです。もっとも、検死・検視・検案の3種の作業を含めて、「検死」という俗称・総称されることが多いようですが。

ちなみに、日本では検案だけで検査を終了することも多いようです(見学に行った同級生の話では、警察署に出向き、安置された遺体を調査し、問題がなければ解剖されない、ということが多かったようです。『きらきらひかる』の影響か、めちゃくちゃ解剖している印象ですが、実際は異なるようです)。監察医は、検案のみでは死因が疎明出来ない変死体については、行政解剖や遺族の承諾に基づく任意解剖を実施することもあります。

特殊なケースでしょうが、非常に興味深いケースです。再発防止のための方策を、しっかりと行う必要があると思われます。病院、検死官らの落ち度もなかったのか、ミスがあるのならば、どうしてそのミスは生じてしまったのかなど、しっかりと把握する必要があると思われます。

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