京都府城陽市で昨年11月、自殺志願の男が、強奪した軽乗用車を運転し、別の乗用車に正面衝突させて男女2人を死傷させた事件で、強盗と殺人、殺人未遂の罪に問われた同府久御山町林北畑、無職、中島俊成被告(42)に対する判決公判が25日、京都地裁(氷室眞裁判長)で開かれた。氷室裁判長は「人命軽視も甚だしく、短絡的で自己中心的な犯行」として、懲役22年(求刑・懲役30年)の実刑判決を言い渡した。

氷室裁判長は、犯行時は心神耗弱状態だったとする弁護側の主張に対し、「犯行後、現場に駆けつけた救急隊員らに自殺目的であることを告げたり、死亡した女性の安否を気遣うなど、会話内容や状況が合理的」と指摘。「犯行時は完全責任能力があった」と述べた。

判決などによると、中島被告は昨年11月18日未明、城陽市奈島内垣内の路上で、停車中の軽乗用車の窓から手を入れてロックを解除して車に乗り込み、運転していた同市の会社員、加藤愛子さん=当時(33)=に「降りろ」と脅迫して助手席に追いやり、車を強奪。そのまま運転し北西約3キロの国道24号で、時速約90キロで対向車線に飛び出し、男性会社員(28)運転の乗用車と正面衝突。加藤さんを殺害し、男性に全身打撲の重傷を負わせた。
(巻き添えで2人死傷させた自殺志願男に懲役22年 京都地裁)


責任能力が存在しない状態を責任無能力と呼び、責任能力が著しく減退している場合を限定責任能力と呼びます。責任無能力としては心神喪失や刑事未成年が、限定責任能力としては心神耗弱が挙げられます。

心神喪失・心神耗弱は、医学上および心理学上の判断を元に、最終的には「そのものを罰するだけの責任を認め得るか」という裁判官による規範的評価によって判断されるそうです。

心神喪失・耗弱者への処遇が(無罪または減刑)、社会的に問題になっていたこともありました。「附属池田小事件」の犯人が、何度も不起訴となった経歴の持ち主であったことも報道されたこともあり、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」が制定され、保護観察所に配置された社会復帰調整官を中心に、医療観察を行う枠組みがつくられました。

ですが、未だに心神喪失・耗弱の認定に関しては、しっかりとした枠組みやガイドラインがないため、「単に刑を軽くしたいためだろう」という印象が否めません。今回のニュースでも、認定するとなれば、非常に社会的なバッシングは起こりうるものではないでしょうか。

社会的な影響を考えると、なかなか認定は難しい、ということなんでしょうね。そうなると、医学的はほど遠く、「社会規範を守るための制度・ルール」といった意味合いが強いのではないでしょうか。

やはり、一度は司法だけではなく、こうしたルール作りを目指した議論が必要になってくると思われます。

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