肝臓がんなどを招く恐れがある乳幼児期のB型肝炎ウイルス(HBV)について、母子間の感染が減る一方、父子感染の割合が高まっている。育児に父親が参加する機会が増えていることが背景とみられ、乳児期のワクチン接種など早急な対策が求められる。

B型肝炎は血液や体液、唾液を介して感染し、ウイルスを持つ持続感染者(キャリア)が国内で100万人以上いる。成人の場合、感染しても多くは自然に治るが、3歳未満で感染すると、一部がキャリアになる。このため母親がキャリアの場合、1986年以降、生後すぐに子供にワクチン接種が行われ、母子感染は10分の1以下に激減した。

一方、父子感染の割合は高まってきた。済生会横浜市東部病院こどもセンターの藤澤知雄部長らが、母子感染以外でキャリアとなり、防衛医大病院などを受診した子供を対象に、家族の血液検査などを実施。父子感染が原因だったのは、85年までの10年間で感染者20人のうち8人(40%)だったが、86年から昨年までは15人中11人(73%)と増えた。

母親は妊娠時にB型肝炎検査を受けるが、父親は調べないため感染がわからず、子供へのワクチン接種も行われない。藤澤部長は「父子の接触が濃厚になり、キスや食物の口移し、同じスプーンを使うことなどで感染が起きているのではないか」とみる。

母子感染は胎内感染もあり、一昨年報告された全国25医療機関への調査では、小児の感染原因の3分の2を占めたが、それまであまり報告されていなかった父子感染も1割あった。父親になる20〜40歳代の0・6%はHBVキャリアとされる。
(B型肝炎の父子感染拡大、育児参加で「触れ合い増」原因?)


『母親は妊娠時にB型肝炎検査を受けるが、父親は調べないため感染がわからない』というのは盲点でしたね。その結果、キスや食べ物の口移しなどが原因で、B型肝炎を感染させてしまう、ということが考えられているようです。

日本での肝炎の原因のほとんどはA型、B型、C型です。主な感染経路はA型・E型は汚染された食べ物や水で、B型は血液媒介・親子(垂直)・性行為(水平)、C型はウイルスの混入した血液を介したもの(輸血や集団予防接種の注射針の回し射ち、刺青など、)です。ちなみに、C型での性行為での感染、母子感染はまれであるとされています。

アメリカではB型肝炎の予防接種を受ける事が義務付けられている。感染したB型肝炎ウイルスは感染者肝臓や血液中に長時間とどまり、キャリアとなります。キャリアの10〜20%は生涯のどこかの時期に慢性肝炎を発病するので、肝機能検査などのフォローアップが必要となります。

慢性肝炎に対する治療法としては、ラミブジン(ただ、この薬は再燃しやすいという難点があります)などの抗ウィルス薬があり、最近ではエンテカビル(製品名バラクルード錠)2006年7月認可され、保険適応となりました。この薬剤は単剤投与にてウィルス(HBV)量を低減させる強い効果があります。

上記のニュースのような、食べ物の口移しなどは止めた方が無難です。ヘリコバクターピロリや虫歯の原因となるミュータンス連鎖球菌を中心とするう蝕原因菌を感染させてしまうこともあります。可愛い我が子のために、止めてあげてください。

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