神戸大学は27日、付属病院内に美容外科の専門診療科を新設することを発表した。国立大学で初めての試みだ。社会の高齢化に伴い、美容外科は若い女性だけでなく、中高年の生活の質を高める医療として需要が高まっている。だが、今の医学教育の中で学ぶ機会がほとんどなかった。神戸大は専門教育の場を設け、若い医師を育てるとともに、老化と闘うアンチエージング医学の拠点作りを目指す。

10月1日に診療を始める。全年齢を診るが、主に中高年のしわやたるみ対策を対象にする。容姿に自信を取り戻すことで、生活や心の張りも戻ってくるという報告があり、高齢者にとって大きな意味を持つからだ。

現在、美容外科を志す人は、やけどの跡の修復などをする形成外科の経験を基に、試行錯誤で技術や知識を身につけているのが実情だ。技術水準は個人差が大きく、医療被害にもつながっているという指摘がある。

神戸大病院では、形成外科の専門医2人が専従し、若い研修医らを交えてチームで診療する。医療保険の適用外で自費診療だが、まぶたの垂れ下がりなど、保険治療の対象と診断した場合は、他の診療科に紹介する。

責任者の一瀬晃洋 神戸大医学部講師は「診療だけでなく、手術や処置の安全性、リスクと効果など、美容外科に関する適切な情報を社会に提供します」と話す。初診は週3回で、電話予約が必要。問い合わせは神戸大病院(078-382-5111)へ。
(神戸大が美容外科開設、国立大学で初 専門医養成へ)


脂肪吸引など、テレビなどで報じられている様子を見ると一見、簡単そうにみえてしまいますが、実は多くの症例をこなさないと、難しい手術だそうです。というのも、どこに多く脂肪があるのか、手探りで感覚によって吸引していかなければならない、とのこと。職人的な技術を要します。

こうした技術を大学で学べるとなれば、しっかりとした体系的な裏打ちをもった治療を行える医師が養成できるようになっていくと思われます。また、他科との連携が比較的とれそうな点も強みであると思われます。

ですが、美容専門科の表立った設立は初とのことですが、実は美容外科の看板は挙げてなくとも、形成外科内部の一診療項目として美容外科を扱っている大学病院が多いとのことです。傾向として診療に美容外科を含めていない大学病院のほうが少なくなっているそうです。

今後は、こうした美容外科を標榜する大学病院は、増えていくのでしょうか。

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