20歳前後の患者は統計上0%台のはずなのに、なぜ私が。21歳で乳がんと闘い、体験をつづった本が映画「Mayu−ココロの星−」になり、全国公開が始まった。「死で終わる映画ではなく、生きていくことに意味があると伝えたい」と訴える。
 
4年前、胸のしこりに気付いた。35歳で卵巣がんになった「闘病のプロ」である母親に相談し病院へ。検査結果は、乳がん。それでも「絶対負けない」と持ち前のタフさで手術を乗り切った。右胸は半分の大きさになったが膨らみは残り「ピザでいうとハーフサイズかな」。

「再発したらどうしよう」。放射線治療に入り眠れない日々が続いたころ出会ったのが、同じ20代の乳がん患者の女性。「いいことはしっかり胸に刻み込む。悪いことには慣れろ」という言葉に何度も救われた。唯一涙を見せることができた彼女が他界した今、手記やブログなどでその言葉を語り継いでいる。
 
映画制作は全日程参加し「お飾りじゃない闘病を」と、細部まで生々しさを出すことにこだわった。「人との出会いがいっぱいあり、病気になって失われたものより得たもののほうが多いです」
 
髪がごっそり抜け、帽子で隠していたときは「完全復活できない自分」がもどかしかったが、今は肩にかかるロングヘアだ。趣味は全国の酒蔵巡りで「今生きているから生存率100パーセント。生きているうちにやれることをやりたい」と好奇心旺盛。北海道室蘭市出身の25歳。
(21歳で乳がんになった体験が映画に)


乳癌とは乳房組織に発生する癌腫のことです。

成人女性の乳房は、乳頭を中心に乳腺が放射状に15〜20個並んでいます。それぞれの乳腺は小葉に分かれ、小葉は乳管という管でつながっています。乳癌の約90%はこの乳管から発生し乳管癌と呼ばれます。小葉から発生する乳癌が約5〜10%あり、小葉がんと呼ばれます。乳管癌、小葉癌は、乳がん組織を顕微鏡で検査(病理学的検査)すると区別できます。

年齢別にみた女性の乳癌の罹患率は30歳代から増加し始め、50歳前後にピークを迎え、その後は次第に減少します。女性では、乳癌にかかる数は乳がんで死亡する人の数の3倍以上です。これは、女性の乳がんの生存率が比較的高いことと関連しています。

診断に関して検査法は、
1)レントゲン撮影(マンモグラフィー)
2)乳腺のその他の画像検査(乳腺の超音波検査、MRI検査、CT検査)
3)穿刺吸引細胞診と針生検
4)遠隔転移の検査(胸部レントゲン撮影、肝臓のCTや超音波検査、骨シンチ)

最近では、遺伝子診断もなされています。対象となる遺伝子は、BRCA1(ヒト乳癌細胞中の腫瘍抑制因子として機能)であり、RNAポリメラーゼ(ホロ酵素)に結合する核(リンタンパク質)です。

遺伝的乳癌の約45%、遺伝的乳癌と卵巣癌を合わせると80%以上では、BRCA1の突然変異が、癌の原因であると予測されます。アミノ末端DNA結合薬指モチーフ、核局在化シグナル、および酸性カルボキシル末端領域をもつことから、BRCA1は転写調節因子として機能すると考えられています。

かなりの確率であるということもあり、欧米では癌になるまえに乳房切除してしまうという人もいるそうです。それは少々やりすぎという感がありますが、乳癌は女性にとって非常に大きな問題であるだけに、杞憂ということはできないでしょう。

しかしながら、乳癌患者のうち、乳房のエックス線(マンモグラフィ)などを使った検診で癌が見つかったのは2割に過ぎず、4人に3人は、検診を受けずに自分でしこりなどの異常に初めて気づいて病院を受診したことが、日本乳癌学会の大規模調査でわかっています。

検診を受けられる人が、まだまだ少ない、という問題があります。乳癌発症年齢は20代から認められ、45歳がピークとされます。特に40〜50歳代の方は、是非とも乳癌検診を受けられることが望まれます。

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