三重県松阪市の「松阪中央総合病院」(玉置久雄院長)で今年1月ごろ、医師が抗ガン剤の量を誤って多めに指示し、男性患者が数日後に死亡していたことが、1日わかった。同県警が業務上過失致死の疑いで調べている。
 
県警などによると、同病院に入院していた県内の男性患者に対し、医師が誤って抗ガン剤の投薬量を多く指示。男性は数日後、呼吸不全で死亡した。同病院は遺族に謝罪するとともに、院内の医療安全委員会で調査を進めている。
 
同病院は男性の死亡後、松阪署に届け出。県警は司法解剖を行い、薬の投与量と死亡との因果関係などを調べている。
(抗ガン剤の量を間違え男性患者死亡)


化学療法剤の用量については投与する際に難しいところがあります。少なすぎれば腫瘍に効果が無く、多すぎれば患者が耐えられない毒性(副作用や好中球減少症 neutropenia)が発現してしまいます。 そのために多くの病院では用量や毒性の補正のガイダンスとなる詳細な「投薬計画 (dosing schemes)」を作成し、それに沿って投与します。

多くの場合には、患者の体表面積値 (body surface area, BSA) で用量を補正します。体表面積値は身長と体重から計算で求めた、体容積の概算値です。普通BSA値は、実際に計測するよりも、計算するか数表 (nomogram) を使って計算します。

こうした投薬計画をしっかりと考えても、ヒューマンエラーによって、「誤って多く投与してしまった」ということが起こりうる、という怖さがあります。薬の管理をしている部門とのしっかりとした連携をすることによって、こうしたエラーを未然に防ぐことが重要であると思われます。

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