米ノースカロライナ州で行われた競売で切断した脚を売られた男性が、購入者の反対を押し切ってそれを取り戻すことになった。メイデンの警察が4日明らかにした。

売られたのは、3年前の飛行機墜落事故により脚を失ったジョン・ウッドさん(42)のもので、購入者は、その脚をハロウィーンで展示しようとしていた。

ウッドさんは、自分が死んだ時に一緒に火葬したかったとして、切断した脚に防腐処理を施し、小さなバーベキューの燻製箱に入れて倉庫で保管していた。その後、ウッドさんが賃貸料の支払いを怠ったため、倉庫の運営会社が先月25日に燻製箱を競売に出していた。

購入者は、脚を発見した際に警察に通報して「不要だ」と述べたものの、脚をハロウィーンで展示し、大人3ドル(約350円)、子ども1ドルの「拝見料」を徴収しようとしていた。購入者は、法的手段で脚を取り戻すことも検討しているという。
(切断した脚を競売された男性、購入者から取り戻す)


複雑な問題ですね。ポイントを整理すると、
1)ジョン・ウッドさんは倉庫の賃貸料の支払いを怠った。
2)そのため、倉庫の運営会社はウッドさんの燻製箱をオークションに出した。
3)落札者は、中にウッドさんの脚が入っているとは知らなかった。
4)落札者は脚を見せ物にして、「拝見料」を徴収しようとした。
5)ウッドさんは、購入者の反対を押し切ってそれを取り戻すことになった。
6)購入者は、法的手段で脚を取り戻すことも検討している。

…ということでしょうか。そもそも、賃貸料を滞納したのが悪いと言ってはなんですが、購入者も脚を見せ物にする、というのはいかがなものでしょうか。非常に悪趣味な行為であると思われます。「自分の所有物だから」という理由で、そうした行為に及ぶことは、倫理的に問題があるように思われます。

所有権といえば、検査や手術で取り出された細胞・組織や臓器に関しても、患者さんに所有権はあります。勝手に処分や廃棄してはならないのですが、「返してくれ」とおっしゃる患者さんも滅多にいらっしゃらないため、処分に明確な『許可(廃棄してよろしいですか?など)』を求めてはいないように思います(研究に使わせてください、という書面は書いたりするところは多いでしょうが)。

ですが、「この脂肪組織や血液、廃棄してよろしいですか?」と訊いてくる病院も変ですね。患者さんも「要りませんよ。捨てて」などと言うのは面倒でしょうし。

こうしたことを考えると、自分自身の体も、細胞一つに関しても"所有している"ということになっているのでしょうね。そんなことを考えさせてくれるニュースでした。

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