島根県大田市の大田市立病院で、入院中の同県美郷町の女性(86)が、看護師が使う薄いプラスチック製手袋をのどに詰まらせて死亡していたことが6日、わかった。大田署は、女性が誤って飲み込んだ可能性が高いとみて調べている。

同病院によると、4日午後11時半ごろ、巡回していた看護師が女性の呼吸が停止しているのを発見。医師も駆けつけ、のどに詰まっていた手袋に気づいて取り除いたが、女性は間もなく死亡した。手袋は病室に備え付けられており、女性のベッド周囲には手袋数枚が散乱していたという。

同署の司法解剖の結果、死因は窒息死と推定され、胃や食道からは他に手袋は見つからなかった。女性は先月末、脳梗塞で入院。病室は4人部屋で他に3人の患者がいたが、異変に気づかなかったという。
(プラスチック製の手袋を誤飲? 入院患者が死亡)


脳梗塞を起こした方や高齢者の方は、嚥下機能が落ちているケースが多々あります。そのため、食事もトロミをつけたりします。

嚥下障害とは、老化や疾病(脳卒中が最多といわれています)などの原因により、飲食物の咀嚼や飲み込みが困難になる障害をいいます。

通常、咀嚼した食物は舌を使って咽頭へ送られ、嚥下されます。その時、軟口蓋が挙上することで、口腔と鼻腔が遮断されます。また、喉頭蓋で気管への道が蓋をされ、嚥下の瞬間だけ開く食道へと送り込みます。これらの複雑な運動に関わる神経や筋肉に何らかの障害が生じた場合、嚥下障害が起こります。

嚥下障害が起こっていたとすると、単に手袋を飲み込んでしまうだけでなく、詰まりやすいと考えられます。認知症などで、こうした事故のおそれのある患者さんの周囲には、ペンやガーゼなどは置いておかないように注意しないといけないようです。

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