産婦人科勤務医の当直回数は、平成18年度は月平均6・3回で、6年前に比べ約30%も増えたことが、日本産婦人科医会(会長・寺尾俊彦浜松医大学長)の全国調査で分かった。単純計算で5日に1回以上の頻度。当直明けでも普段と同じ勤務をこなさなければならない施設が9割以上を占め、当直手当てが増額がされた例もごく一部にとどまった。

産科医の勤務の過酷さと待遇の不十分さがあらためて数字で裏付けられた形で、同医会は今後、改善に向けた具体的提言をまとめるとしている。

調査はお産を取り扱う全国約1300施設が対象で、約800施設(62%)の有効回答を分析した。当直回数は、12年度に行われた調査では月平均4・7回で、1・6回増加した。同医会は「この数字は小児科や救急と比べても多いのではないか」としている。

当直明けの勤務緩和措置については「なし」が全体の92・5%。国立系の施設(大学病院を除く)では100%、大学病院は97・4%が勤務緩和をしていなかった。

過去1年以内に当直手当てを増額した施設は9・4%。妊婦が糖尿病や妊娠高血圧症候群であるなど、リスクが高いお産を扱った施設に加算される「ハイリスク分娩管理料」を、一部でも医師に還元した施設は1%にも満たなかった。
(産科勤務医の当直、5日に1回以上 6年で30%増)


舛添要一厚生労働相は先月に、地方を中心に深刻化している産科の医師不足問題について「勤務医の勤務環境が非常に悪い。やはり報酬という面で見てあげないと。それはやりたい」と述べ、勤務医の診療報酬を引き上げる方針を示しています。

また、医師の過失を立証できなくても患者に金銭補償する無過失補償制度に関しては「まず脳性まひのケースについて具体的にスタートさせる」と強調しています。

ところが、上記のような現状である以上、精神的・肉体的に続けていくのが困難であるという訴えには答えることはできないと思われます。現に、5年間で医師が半減した大学も多いと調査結果がでています。高度医療と人材育成、治療法の研究を担う大学病院の産婦人科が危機に直面しています。

たとえば、群馬大は、群馬県立がんセンターの婦人科に派遣している医師3人のうち2人を、4月に引き揚げ、残る1人もいずれは引き揚げる予定で、すでに1月から新規の患者は受け入れていない現状です。

待遇の改善は当然のこととして、なされるべきであると思われますが(頑張っている人が報われないという不公平感は是正されるべきでしょう)、それ以上に人員確保の問題が先決であると思われます。

最近では、開業医の方に中核の病院で外来を当番制で担ってもらったり、女医さんにパートタイムでの勤務をお願いしているところもでてきているようです。こうした取り組みが全国的に広まれば、と思われますが、それもままならない状況のようです。まずは、こうした問題から目を向けて欲しいと思われます。

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