英国のロンドン大学ユニバーシティ・カレッジの研究チームが行った調査によると、悪い恋愛関係によって心臓発作や胸痛が引き起こされる可能性があるという。

同チームは、1985─1988年、および1989─1990年の期間、9000人の英国公務員を対象に、配偶者や親しい友人を含む人間関係のネガティブな局面に関する質問を行った。さらに同チームは、これらの回答者に対して12年後に追跡調査を行ったところ、以前の質問で口論や非難などが日常的なものだと答えた者は、そうでない者と比べて、心臓発作や胸痛を引き起こす危険性が34%も高いことが分かった。

同研究を率いたロンドン大学ユニバーシティ・カレッジの疫学者Roberto De Vogli氏によると、これらは、肥満や喫煙、飲酒、家系といった危険因子を取り除いても、23%と高い数値を示したという。De Vogli氏は電話取材で、「周囲に良い人がいれば、健康にもよい。後ろ向きな人が周りにいれば健康の悪化にもつながる」と語った。研究結果は、専門誌「Archives of Internal Medicine」上で発表された。
(悪い恋愛関係、心臓発作の要因になる可能性)


友人が肥満だと、太りやすいという調査結果が出ていたり、教室の後ろに座る学生、テストの成績悪いが講義への評価は厳しいといった傾向があるなど、対人関係が健康状態に影響を与えるといった研究は興味深いものがあります。

今回のケースでは、12年の前向きコホート研究にて、「以前の質問で口論や非難などが日常的なものだと答えた者は、そうでない者と比べて、心臓発作や胸痛を引き起こす危険性が34%も高い」という結果が出たそうです。肥満や喫煙、飲酒、家系といった危険因子を取り除いても23%ということから、恐らく、ストレスと関係があるのでしょう。

「周囲に良い人がいれば、健康にもよい。後ろ向きな人が周りにいれば健康の悪化にもつながる」ということは、合わない、と分かった時点で、すっぱりと別れることが健康にはいいということなんでしょうな。…なんだか、「分かれるきっかけを与える」ような研究結果ですね。

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