北海道大研究チームの調査で、小学4年〜中学1年の一般児童・生徒738人に、鬱病と躁鬱病の有病率が計4.2%に上ったことが8日、分かった。医師が面接する大規模な疫学調査は国内初という。研究チームの伝田健三・北大大学院准教授(精神医学)は「有病率がこれほど高いとは驚きだ。これまで子供の鬱は見過ごされてきたが、自殺との関係も深く、対策を真剣に考えていく必要がある」としている。

調査は今年4〜9月に北海道内の小学校8校、中学校2校にそれぞれ4〜6人の精神科医が出向き問診、診断した。それによると、軽症のものも含め鬱病と診断されたのは全体の3.1%、躁鬱病が1.1%。学年別にみると小学4年で1.6%、同5年2.1%、同6年4.2%と学年が上がるほど割合が高くなり、中学1年では10.7%だった。

これとは別に高機能自閉症などの「高機能広汎性発達障害」や、注意欠陥多動性障害(ADHD)が疑われたケースが2.6%あったが、日常生活や発達歴に関する情報がないため明確な診断には至らなかった。
(小4〜中1の鬱病「4%」も 北大調査)


うつ病とは、気分障害の一種であり、抑うつ気分や不安・焦燥、精神活動の低下、食欲低下、不眠などを特徴とする精神疾患です。あまり生活に支障をきたさないような軽症例から、自殺企図など生命に関わるような重症例まで存在します。うつ病を反復する症例では、20年間の経過観察で自殺率が10%程度とされています。

生涯のうちにうつ病にかかる可能性については、近年の研究では15%程度と報告されています。日本で2002年に行われた1600人の一般人口に対する面接調査によれば、時点有病率2%、生涯有病率6.5%とされています。

DSM-IVの診断基準は、2つの主要症状が基本となります。それは「抑うつ気分」と「興味・喜びの喪失」です。この2つの主要症状のいずれかが、うつ病を診断するために必須の症状であるとされています。

「抑うつ気分」とは、気分の落ち込みや、何をしても晴れない嫌な気分や、空虚感・悲しさなどです。「興味・喜びの喪失」とは、以前まで楽しめていたことにも楽しみを見いだせず、感情が麻痺した状態です。

うつ病患者では、抑うつ感、不安、焦燥などのために自殺することを望んだり、実際に実行してしまうことがあります(希死念慮といいます)。抑うつ感などによる苦痛の強い場合、不安・焦燥の強い場合、極端に自己評価の低い場合、罪責感の強い場合、妄想の見られる場合などは自殺のリスクが高いと考えられるため、より注意が必要です。

一説によると、12歳未満の児童期は0.5%から2.5%、12歳から17歳の思春期以降では、2.0% から8.0% の有病率が認められると考えられていましたが、上記ニュースでは、もっといると考えられます。

子供では、軽症のうつ病ではいらいらしたり、少し落ち込んでいるようにみえたりするだけでうつ病体験を言語化しないことが多く、頭痛や腹痛等の身体症状や不登校等の行動面での変化が特徴的です。見逃されやすいということもあり、学校や家庭での「変化」にすぐ気づいてあげることが重要であると思われます。

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