働く人のメンタルヘルス(心の健康)の問題が深刻度を増すなか、大阪府は10日、中小企業の実態調査に乗り出す方針を固めた。大企業は専門医を置くなど対策が整いつつあるが、中小企業は経費が負担になることなどの理由から取り組みが遅れているのが現状。自治体によるメンタルヘルスの実態調査は珍しく、府は具体的な支援策につなげたい考えだ。
 
国内ではここ数年、鬱病などの精神疾患で休職するケースが増えている。独立行政法人「大阪産業保健推進センター」(大阪市)が府内の企業468社について過去5年間の休職者の実態を調査したところ、精神疾患のため休職した労働者は、12年度は337人だったが、16年度には約3・5倍の1190人に急増。従業員300人未満の中小企業(153企業)に限ると、12年度の22人から16年度は3倍の66人に増えていた。

このような実態を踏まえ、厚生労働省では5年ごとに企業のメンタルヘルスケアに関する全国的な実態調査を行っている。14年の前回調査によると、「(対策に)取り組んでいる」と回答した企業は、規模が小さくなるほど減少する傾向がみられた。具体的には、従業員1000人以上の企業では約90%が取り組んでいたのに対し、300人以上1000人未満では64・7%、100人以上300人未満では44・0%、50人以上100人未満では32・4%という結果で、中小企業の対策遅れが目立つ。
 
府によると、府内には従業員数300人以下の中小企業が33万737社(16年度)あり、全体の99・6%を占める。このため府は、中小企業のメンタルヘルス対策として、すでに経営者ら向けの啓発セミナーなどを開いているが、「中小企業は経費が足りず、具体的な対処方法も分からないため、取り組みは進んでいない」とみている。
 
府は今後、調査を通じて中小企業の現状を把握したうえで、経費が足りない中小企業にカウンセラーを派遣するなどの支援策を検討する。調査は来年度から従業員300人以下の企業を対象に始める方針。府労政課の担当者は「中小企業の実情を詳しく調査したうえで、実態に合った支援策を検討したい」と話している。
(うつ増加? 中小企業のメンヘル、大阪府調査へ)


北海道大研究チームの調査で、小学4年〜中学1年の一般児童・生徒738人に、鬱病と躁鬱病の有病率が計4.2%に上ったことが先日、判明しました。実は、医師が面接する大規模な疫学調査は国内初とのことです。

日本では自殺者数が3万4千人に達し(2003年)、統計のある1897年以降で最大となっています。自殺者が自殺率(人口10万人あたりの自殺者数)では先進国G7諸国中で日本が1位となっています。2006年10月28日、自殺対策基本法が施行されていますが、その実情はあまり効果のあるものとは言えないのではないでしょうか。

「(対策に)取り組んでいる」と回答した企業は、規模が小さくなるほど減少する傾向がみられ、中小企業では、いまだなされていないようです。

うつ病において、大きな問題となるのが自殺です。自殺防止対策として、相談室の設置、カウンセラーの増強などの対策が取られているところがありますが、ほとんどがNPOによる自主活動またはボランティアで、行政側が全面的にバックアップをとっておらず、多くの相談室が人材・予算不足で苦境に立たされているのが現状だそうです。やはり、行政レベルでの取り組みが必要であると思われます。

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