米国ではジェネリック(後発)医薬品の承認申請が増加の一途をたどっており、医薬品規制当局の処理が追いついていないという。米国食品医薬品局(FDA)では昨年(2006年)、Generic Initiative for Value and Efficiency(GIVE)というプログラムを導入し、ジェネリック薬の承認プロセスの近代化と能率化を目指している。
 
ジェネリック医薬品にはすべて、品質、安全性、有効性についての科学的レビューが実施される。製造元は、用量、力価、投与経路、用途のほか、有効成分の量や送達にかかる時間がブランド薬と同じであることなどを証明する必要があり、この「生物学的等価性」によってジェネリック薬がブランド薬と同じ治療効果をもつと確認される。

FDAでは現在、1,300点を超える承認待ち薬剤が未処理で、申請数はさらに増え続けているが、一方で承認数の大幅な増加も図っており、相当数の低価格製品を世に送り出し続けているという。承認プロセス能率化の一環として、特許の問題や独占権による保護のない薬剤については申請書のレビューを迅速化するほか、GIVEプログラムの下、新たなレビュー担当者の雇用、訓練、コンピュータープログラムの使用を促進することも計画している。

しかし、ジェネリック医薬品学会(GPhA)のKathleen Jaeger氏は、FDAの取り組みは十分ではなく、消費者がタイムリーにジェネリック薬を利用できるようにすべきであると指摘。GPhAは、企業がFDAに料金を支払い、新薬の承認にかかる費用を補う「利用者負担金」プログラムを提案している。ブランド薬を開発する製薬会社には同様のプログラムが実施されているという。

AP通信によると、FDAは先ごろ、医師の処方箋なしに買える「behind-the-counter(BTC)薬」を増やすことを検討していると発表した。これは、処方薬と従来の市販薬(OTC薬)の中間に位置する第三の選択肢だという。昨年、FDAは緊急避妊薬(モーニングアフターピルとも呼ばれる)を18歳以上の女性に医師の指示なしに販売することを承認している。ただし、18歳未満の場合は処方箋が必要だという。
(ジェネリック薬の申請処理にFDA追いつかず)


日本でも、ふくらみ続ける医療費の抑制のため、ジェネリック医薬品の使用促進を目指して、ジェネリック薬品が標準に 薬の処方せん書式変更したりジェネリック医薬品の報酬上乗せで普及推進を目指しているそうです。

アメリカでは普及が進んでいるようですが、一方で承認システムに問題が生じているようです。医薬品である以上、「ジェネリック医薬品にはすべて、品質、安全性、有効性についての科学的レビューが実施」「製造元は、用量、力価、投与経路、用途のほか、有効成分の量や送達にかかる時間がブランド薬と同じであることなどを証明する必要がある」など、厳しい審査が必要なようです。そのため、承認までに時間がかかるようです。

たしかに、「消費者がタイムリーにジェネリック薬を利用できるようにすべきであると指摘」はあるようですが、やはり安全を考えるとこうした審査は必要であると思われます。食品の安全性が揺らいだ今、医薬品にも問題が生じないという補償はないように思います。

国内でも、ジェネリック医薬品が普及していくでしょう。その先で、果たして問題は起こらないのでしょうか、不安はぬぐい切れないようにも思います。