禁煙中の人に親しい友だちのように寄り添い、ストレスや禁断症状を切り抜ける手助けをしてくれるWebベースの新技術が登場している。

STEPPとデンバーの広告代理店Cactusは、インターネットの禁煙プログラムと連動させた携帯電話のメッセージシステムを開発した。新プログラム「FixNixer」はまずコロラド州の高校生を対象とし、いずれ年齢や場所を問わず提供したい考えだ。

大手禁煙サイトのQuitNet.comも、個々のサイトユーザーに合わせたメッセージと携帯への参入を検討。禁煙者支援団体はMySpaceやFacebookなどのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に進出している。

QuitNetは会員がタバコをやめることで年間に節約できる金額を算定するサービスを提供しているが、個々の趣味に合わせたメッセージを送ることも可能だという。「例えばゴルフ好きの会員には、屋外にいたりゴルフをしている人たちの写真を表示する。サイトの閲覧回数が増えるほど関係が深まり、まず禁煙に成功してその後もタバコを吸わずにいられるようになる」(パービス氏)

FixNixer.comでは、最もタバコに手を出したくなるのはいつなのかをアンケートで詳しく調べる。食後、飲んでいるとき、ストレスがたまったとき、あるいは1日のうちの何時ごろなのかといった質問だ。

タバコを吸いたいという欲求を抑えるため、例えばガムを噛む、友達と話すなど、どんな行動が助けになるかも質問する。禁煙したいと思う理由についても詳しい説明を求められる。

この情報がテキストメッセージに盛り込まれて会員の携帯電話に送られる。最も強い誘惑にかられるときに、携帯電話にメッセージが届いて吸ってはいけないと念押しされ、欲求をやり過ごす方法を思い出させてくれる仕組みだ。

例えばほかにやることがないときに吸ってしまうという人には「分かっていますね。退屈を理由にタバコを吸うのは最低です。『退屈だから放射能でも浴びてこようか』などと言うことはまずないはずです」。

こうしたメッセージをさらに強化するため友達や家族に登録してもらい、警告メールを送ってもらうことも可能だ。ネットではタバコなしの生活について、いいことも悪いこともブログにつづることができる。

「何が誘引になり、それにどう対処するか、そしてどうして禁煙したいと思ったかを思い出させてくれる。ユーザーはこのプロセスを自分のものにすることを強いられる」とCactus Marketing Communicationsのジョー・コンラッド社長は言う。
(一服したいときに警告メール、禁煙サイトの新サービス)


スイス系製薬会社のノバルティスファーマによる「禁煙に関するアンケート調査」の結果によると、1年以内に禁煙に挑戦した人は2724人おり、このうち6割は「気合いとガマン」で禁煙に挑んでいたそうです。

一方、医療機関の禁煙外来を受診した人は3.6%。禁煙外来の治療内容について知らないとの回答は39.1%で、認知度が低いことが明らかになっています。

タバコは中枢神経作動薬であるニコチンを含み、ニコチンには明らかな依存性があることが知られています。例えば動物実験において、レバーを押すことでニコチンを静脈内投与するような仕組みを作ると強化行動が起こります。

喫煙の依存性は、喫煙者のうち5割以上の者が禁煙の失敗を経験しており、禁煙の成功率は5〜10%程度であるといわれています。その多くの原因が、禁煙を始めた際の離脱症状であり、自覚的にはニコチンへの渇望が生じます。喫煙に対して依存性を示す者は「喫煙でリラックスできる」と表現しますが、実際は離脱症状を喫煙によって一時的に緩和しているに過ぎません。

上記のサービスは、「何が誘引になり、それにどう対処するか、そしてどうして禁煙したいと思ったかを思い出させてくれる」ということで、"初心を忘れないように"させてくれるようなもののようです。そのお陰で、我慢を継続できるようにしてくれる、と思われます。

しかしながら、それではかなり意志の強い人ではないと難しいのではないでしょうか。ニコチンへの依存症が原因である以上、医療機関を訪れ、禁煙補助薬の使用やカウンセリングを併用した方がずっと楽なような気がします。

本当に禁煙をするなら、一度、禁煙外来を訪れてみてはいかがでしょうか。

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