米国の働く人を対象にした調査では、チャイルドケアや在宅医療介助などパーソナルサービスに従事する人が、各種職業の中でうつ病にかかる割合が最も高いことが分かった。米薬物乱用・精神衛生管理庁(SAMHSA)が15日発表した。

過去1年間に大うつ病エピソードを1つでも経験した人の割合は、パーソナルケアやパーソナルサービスに携わる人では10.8%、食品の調製や給仕に携わる人では10.3%となった。

一方、割合が最も低い職種分野は、建設・エンジニアリングや科学、取り付け・メンテナンス・修理などだった。

調査報告では「2004年から2006年までのデータを総合すると、18―64歳のフルタイム労働者で過去1年間に大うつ病エピソードを訴えた人の割合は年率平均7%となった」としている。

SAMHSAは、6万人超のインタビューを盛り込んだ薬物使用に関する全国調査のデータを利用した。
(最もうつ病になりやすい職種はパーソナルサービス)


うつ病とは、気分障害の一種であり、抑うつ気分や不安・焦燥、精神活動の低下、食欲低下、不眠などを特徴とする精神疾患です。あまり生活に支障をきたさないような軽症例から、自殺企図など生命に関わるような重症例まで存在します。うつ病を反復する症例では、20年間の経過観察で自殺率が10%程度とされています。

生涯のうちにうつ病にかかる可能性については、近年の研究では15%程度と報告されています。日本で2002年に行われた1600人の一般人口に対する面接調査によれば、時点有病率2%、生涯有病率6.5%とされています。

DSM-IVの診断基準は、2つの主要症状が基本となります。それは「抑うつ気分」と「興味・喜びの喪失」です。この2つの主要症状のいずれかが、うつ病を診断するために必須の症状であるとされている。
「抑うつ気分」とは、気分の落ち込みや、何をしても晴れない嫌な気分や、空虚感・悲しさなどです。
「興味・喜びの喪失」とは、以前まで楽しめていたことにも楽しみを見いだせず、感情が麻痺した状態です。

うつ病患者では、抑うつ感、不安、焦燥などのために自殺することを望んだり、実際に実行してしまうことがあります(希死念慮といいます)。抑うつ感などによる苦痛の強い場合、不安・焦燥の強い場合、極端に自己評価の低い場合、罪責感の強い場合、妄想の見られる場合などは自殺のリスクが高いと考えられるため、より注意が必要です。

今回の結果としては、
・過去1年間に大うつ病エピソードを1つでも経験した人の割合は、パーソナルケアやパーソナルサービスに携わる人では10.8%、食品の調製や給仕に携わる人では10.3%
・一方、割合が最も低い職種分野は、建設・エンジニアリングや科学、取り付け・メンテナンス・修理

といったことが分かったそうです。やはり、対人関係が重要視されるサービス業は、ストレスを溜め込みやすい、という結果になりそうです。

異なる考え方をする人たちと接することは、やはり難しいものです。最近では、適応障害という概念が受け入れやすくなっているとは思いますが、職場の環境にとけ込めなかったり、顧客とのやりとりに疲弊してしまい、退職を余儀なくされてしまった、という方は少なくないようです。

大企業ではこうしたメンタルヘルスは気にかけ始めているようですが、特に中小企業での対応の遅れが問題となっているようです。今後は、こうした社員のメンタルヘルスの調査や管理が重要になってくると思われます。

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