比叡山中の明王堂(大津市)で9日間にわたり断食、断水、不眠、不臥で不動真言を唱え続ける難行「堂入り」に挑んでいた比叡山延暦寺大乗院住職の星野円道さん(32)が21日未明、無事に行を終えて堂を出た。

「堂入り」は天台宗の荒行「千日回峰行」の最難関。達成した行者は6年ぶりで戦後12人目になる。心身ともに限界に挑んだ星野さんだが、入院はせず自分の寺へ帰り体力回復を待つという。荒行を完遂し明王堂から出てきた星野さんの顔は、ほおがこけ目もうつろ。13日に堂に入った時とは別人のようだった。

午前1時すぎ、お供え用の最後の水くみへ行った後、堂内で僧侶約20人と読経。午前3時、正面の扉が開かれ、約600人の信者が不動真言を唱えながら見守る中、星野さんが両脇を僧侶に抱えられながら現れた。薬湯を口にすると、約200メートル離れた自身が住職を務める大乗院へ。しばらくはリンゴジュースやスポーツドリンクなどで胃腸の調子を整え“リハビリ”するという。

比叡山中を計1000日かけ地球一周分の約4万キロを踏破する天台宗の荒行「千日回峰行」。その中でも堂入りは最大の難関で、700日終了後に明王堂に入り断食、断水、不眠、不臥を9日間行い不動真言を10万回唱える。激しく衰弱するため「生き葬式」とも言われる。

お供えの水をくみに行く以外は堂を出ず、5日目から許されるうがい以外は何も口にすることが許されない。比叡山関係者は「小便のキレは徐々になくなり、大便はずっと出ない人もいる」。体重も15キロ近く減るという。

介添え役や、一緒に線香をあげたり読経する僧侶など、常に少なくとも20人が一緒にいるため睡眠は不可能。うがいの際に水を飲んでしまう可能性もあるが「不正をする(ような人)なら最初からやらないでしょう」と関係者。星野さんは6年ぶりで戦後12人目の挑戦者だが「それは(あまりの壮絶ぶりに)自分から手を挙げる人がいなかったから」という。

過去、回峰行を2度行った権大僧正の酒井雄哉さん(81)のホームページによると、行者には「もし行半ばで挫折すれば自ら生命を絶つ掟」が存在。関係者も「脱落はあり得ない。体調を崩しても修行後に回復させる」と厳しい。

無事に堂入りを終えても、体調の回復は容易ではないという。「食事は食べても吐いてしまうのでジュース、流動食から始める。睡眠も寝ようとしても寝られない」(関係者)という。
(スーパー住職!9日間連続…横にならない、飲まない、食べない、寝ない)


成人では、基礎代謝量は1日およそ1,600kcal程度であると言われています。栄養摂取量が減少すると、1,200Kcalに落ち、延命を図ろうとする生理的反応が起こってくるそうです。これにより、"水分の補給があれば"絶食状態で平均1ヶ月程度生存できるそうです。

ですが、この修行となると、うがいは出来てもほぼ水は飲めないということになり、9日間という期間は非常に危険であると思われます。脱水は、高度となれば不可逆的なショック状態に陥り、死亡してしまう恐れもあります。

ですが、断食というのは医学的に治療の一環として行われることもあります。以下のような目的や手段を持って行われます。
実は、断食は「絶食療法」と呼ばれ、医学的な管理のもとで、準備期に続く絶食期間10〜12日間、復食期間5〜6日間、回復期間7〜14日間のスケジュールで行われます。精神を癒し、強化するといった意味において自律神経失調症をはじめ、神経症、心身症などの治療法として用いられることがあります。

絶食による代謝過程の変化がもたらす内部環境、とくに末梢の臓器だけでなく、中枢機能‐自律神経系・内分泌系の変調、意識の変容などにより、臨床効果がもたらされるものと考えられています。

それにしても…怠惰な生活を送っている自分としては、こうした戒律の中に生きる人は尊敬してしまいます。座禅など、僧侶の生活を体験することを初期研修に取り入れている会社もあるそうですが、効果があるのでしょうか。少し、体験してみたい、なんてことを思ったりもします。

【関連記事】
「食事制限があるのに、食べさせろと言われた」 糖尿病の夫絞殺の妻

「大食い遺伝子」の発見?ドーパミン量で食事量に差