アメリカCNNの報道によると、アメリカの食品会社ジェネラルミルズは、製品に大腸菌が混入した可能性があるとして、全国で500万枚の冷凍ピザを回収した。

この製品は同社がオハイオ州の工場で生産したもので、「Totino」「Jeno」のブランド名で全国で販売されている。同社の声明によると、調査の結果、ピザに使用したイタリアンソーセージが汚染されていた可能性が高いという。しかし、ソーセージの仕入先は明らかにされていない。

報道によると、回収対象の製品は今年7月以降に生産された、イタリアンソーセージを使用したピザ。米国疾病予防管理センター(CDC)によると、現在までにこの製品による健康被害が21例報告されており、そのうち8人が入院した。

ジェネラルミルズのスポークスマンは、「関連当局と協力して、汚染源の特定を急ぎ、消費者の利益を最大限に保護する」と語っている。
(冷凍ピザに大腸菌!500万枚を回収)


国内でも、北海道土産として知られる菓子「白い恋人」を製造する札幌市の菓子会社である「石屋製菓」は、アイスクリームとバウムクーヘンからそれぞれ大腸菌群と黄色ブドウ球菌が検出されたと発表した件がありました。

しかも、保健所に報告せず隠蔽、保健所の抜き打ち検査で発覚したこともあり、非難が集まりました。やはり、こうした事態に陥った場合は、早急な対策が求められます。

大腸菌による食中毒は、以下のような問題が起こってきます。
大腸菌は腸内細菌でもあり、温血動物(鳥類、哺乳類)の消化管内、特に大腸に生息します。そのため、この菌の存在は糞便による水の汚染を示唆し、河川、湖、海水浴場などの環境水の汚れの程度の指標として用いられています。また、水道水からは「検出されてはならない」とされています。

大腸菌の一部では、動物に害となりうる性質を持つものもあります。大部分の健康な成人の持っている株では下痢を起こす程度で 何の症状も示さないものがほとんどですが、幼児や高齢者、病気などによって衰弱している人、免疫機能の低下している人では、重篤な状態になって、時として死亡に至ることもあります。

中でも、特に強い病原性を示すものは病原性大腸菌とよばれます。とくに腸管出血性大腸菌の中でもO157は有名ではないでしょうか。血液中にもベロ毒素が取り込まれるため、血球や腎臓の尿細管細胞を破壊し、溶血性尿毒症症候群(急性腎不全・溶血性貧血)急性脳症なども起こることがあり、急性脳症は死因となることがあります。

大きな問題となる前に、企業としての社会的責任をしっかりと果たしていただきたいと思われます。

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