居眠り運転で社会問題となり、場合によっては突然死の原因ともなる睡眠時無呼吸症候群(SAS)。その第4の治療法として、うつぶせ寝が注目されている。6月から治療に取り入れてきた、豊橋メイツクリニック院長で同睡眠医療センター長の小池茂文氏はいう。

「最初は半信半疑だったが、意外に効果が認められた。他の治療法はだれにもできるとはかぎらないが、うつぶせ寝は乳幼児をのぞいて、だれでもできる。最優先にされるべきではないが、治療法の1つとして十分考えられる結果だった」

小池院長はフランスベッドの協力を得て、長時間、完全なうつぶせ寝のできる寝具を使い、28人を治療した。その結果、自由に寝た場合とうつぶせ寝を比較すると約43%無呼吸が改善された。中等度と重症者の17人でみても同様の改善がみられた。こうした結果は11月7日からの日本睡眠学会で発表される。

同睡眠医療センターは医師3人、専任技師9人、終夜睡眠ポリグラフ検査ができるベッド8床を備え2002年以来この9月末現在で通算6840件の検査をしてきた。2925人が睡眠時無呼吸症候群と診断され、現在850人以上がCPAP治療(経鼻的持続陽圧呼吸療法)を受けている。

終夜睡眠ポリグラフ検査を行い、眠気などの睡眠障害の症状がある場合は1時間に5回以上、自覚症状がない場合は1時間に15回以上呼吸が止まると、睡眠時無呼吸症候群と診断される。

この症状は睡眠中に筋肉がゆるみ、舌がのどの奥に下がって気道をふさぐために起こる。従って治療法は
1)CPAP治療=特殊な装置で鼻から空気を送り舌を押し込むことで気道を確保
2)歯科治療=睡眠時に歯形に合わせた口腔内装置で舌を前に出し気道を確保
3)耳鼻科手術=口蓋垂や扁桃付近の手術で気道確保−だが、一長一短ある。うつぶせ寝は舌がのどの奥に垂れてこないので気道確保できる。

それぞれの治療法の改善率は1)が約90%と絶大で2)は医療機関によって約32〜約63% 3)は医療機関によって約44〜約53%となっている。

こうしてみると、うつぶせ寝の改善率は1)のCPAP治療法には及ばないが、2) 3)とは遜色ないといえる。
(お金かけず自分で工夫…注目の「無呼吸症候群」治療法)


睡眠時無呼吸症候群の定義とは、
・一晩(7時間)の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上おこる。
・または、睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が5回以上おこる。

というものです。

厚生省では睡眠1時間あたりの低呼吸数が20回以上おこる場合では、5年後の生存は84%(5年後の死亡率は16%)と報告しています。

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に呼吸が止まった状態(無呼吸)が断続的に繰り返される病気です。その結果十分に睡眠がとれず、日中の眠気、集中力、活力に欠ける、居眠りがちになる、居眠り運転で事故や重大事故などを起こしやすくなります。

以下に、診断や治療について記します。
問診などでSASの疑いがあると判断された場合は、診断装置を用いた検査に進みます。
無呼吸は夜発生するため、まずは簡易的にアプノモニターのような携帯型の簡便な装置で在宅検査を行なうことが多いようです。疑いが強い場合、しっかり測定するために通常は夜間に入院検査で行います。

治療としては、患者が肥満者の場合、減量により上気道周辺の脂肪の重さによる狭窄を改善することを考えます。

つぎに、持続陽圧呼吸療法といって、CPAP(continuous positive airway pressure ; シーパップ)装置よりチューブを経由して鼻につけたマスクに加圧された空気を送り、その空気が舌根の周りの空間を広げ吸気時の気道狭窄を防ぐ方法があります。

CPAP装置には大きく分けて2タイプあり、ひとつは固定CPAPと呼ばれ、もう一つはオートCPAPと呼ばれる。いずれも日本国内では保険診療として認められており、一般的な給与所得者にとって大きな負担と感じられない程度の費用で利用することができます。保険診療扱いで、「装置をレンタルして使う」ようなスタイルのため、症状の有無に関わらず一ヶ月に最低1回は担当医師の診察が必要です。

そもそも、いびきは肥満によって上気道が狭くなったり(特に頚が短い人)、軟口蓋や舌根が上気道を塞いでしまったりして起こってきます。一般に仰向けに寝ると舌などが喉の方に落ち、いびきをかきやすいといわれています。そこで、うつぶせや横向きに寝るように努めると軽減される場合があります。

抱き枕などで工夫をして、睡眠時無呼吸症候群による問題を起こしにくくすることは出来るかも知れませんね。

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