ポルトガルで、漁師の男性が海上で虫垂炎を病み、空軍に救助されたが、後に空軍が約2万ドル(約220万円)の費用を請求したため、水産業関係者の怒りを買っている。

業界団体は、国防省にあてた書簡で「違法かつ不快で受け入れられない」と訴えた。
空軍は、ヘリコプターによる救助が医療保険の対象外のため、その費用の支払いを求め男性を訴えている。男性側は、お金がないので支払えないとしている。
(虫垂炎で救出のポルトガル漁師、空軍が220万円請求)


虫垂炎とは、俗に言う「盲腸」のことですが、虫垂は右下腹部にある盲腸から出ている細長い器官であるため、正確に言えば別の場所を指しています。これは、昔は診断の遅れから、開腹手術をした時には既に虫垂が化膿や壊死を起こして盲腸に張り付いて、あたかも盲腸の疾患のように見える事があったため、「盲腸」と呼ばれていたそうです。どの年齢でもみられますが(乳児ではまれ)、好発は粘膜下リンパ濾胞の増生が盛んな10〜20歳代であるといわれています。

ちなみに、「盲腸炎」というものもあり、盲腸に発生した炎症性病変をいいますが、盲腸に原発するものはまれで、虫垂炎が盲腸に波及したものが多いそうです。稀にですが、魚骨などの刺入により盲腸炎が発生することもあります。

症状としては、右下腹部痛がよく知られています。典型的には、まず心窩部(みぞおち付近)に痛みが出て、時間の経過とともに右下腹部へと移動していくことが多いといわれています。その他の主な症状としては、食思不振、嘔気、発熱などがあります。

鑑別としては、右下腹部痛からは腸炎、大腸憩室炎、卵巣炎、卵管炎、子宮外妊娠、便秘などがあがります。超音波検査やCTで炎症性に腫大した虫垂が描出されれば診断はほぼ確定します。

治療としては、以下のようなものが行われます。
炎症が軽度であれば抗菌薬の投与により完治します。炎症が高度になったり、糞石がみられたり幼児・妊婦であった場合は、手術を勧められます。

種々としては虫垂切除術を行います。右下腹部を数cm切開して、そこから虫垂を引っ張り出して切開します。こちらは局所麻酔でも可能です。

腹腔鏡手術の発達で、最近は虫垂切除も腹腔鏡下に行われるようになってきました。へその下や下腹部に1cm前後の切開を数カ所おき、その穴からカメラや器械を入れて、画面を見ながら虫垂を切除します。こちらは全身麻酔下で行います。

それにしても、可哀想としかいいようがないニュースですね。何とか免除してもらえないか、と傍目からみて思ってしまいます。

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