米国小児科学会(AAP)は、自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorders)をもつ小児の発見および対処法について2つの勧告を発表した。
第1の報告は、自閉症スペクトラム障害の発見方法を詳細に示したもので、下記のような徴候を挙げている:
言語が発達するころに明確に現れる危険信号は以下のとおり:
この報告では、たとえ親が特に心配していなくても、生後18カ月から24カ月の間にすべての小児について共通のスクリーニングを実施するよう推奨している。
第2の報告は、自閉症と診断された後の対応に焦点を当てたもので、早期介入の重要性を強調。自閉症が疑われる場合は、診断が確定するのを待たずに、できる限り早く介入治療を開始するよう推奨している。少なくとも週25時間、1年間の治療が必要だという。
また、小児科医へは家庭で行われる可能性のある補完療法や代替療法を知っておくよう推奨している。例えば、自閉症改善のために子どもにカゼイン・グルテン除去食を与える親がいるが、栄養障害を生じる危険もある。小児科医がこれを把握していれば、栄養士を紹介するなどの対応が可能である。睡眠障害や胃腸障害など、自閉症の小児に共通する医学的問題についても、小児科医は知っておく必要があるとしている。
(米国小児科学会が自閉症の新しいガイドラインを発表)
子供の成長や発達には個人差があり、「もう少し大きくなれば大丈夫ですよ」などと医師は説明しがちであるため、幼児が自閉症であると診断されるまでに、長く時間がかかるケースがあるそうです。そうなると、治療に最適な時期を逃してしまったり、お母さんに大きな心理的負担をかけてしまうこともあります。
やはり、しっかりと診断ガイドラインを規定し、治療を最適な時期に始められることが重要であると思われます。定義によれば、自閉症とは以下のようなものであるとされています。
3歳位までに症状があらわれ、
の3つを主な特徴とする行動的症候群であるとされています。
自閉症の上位概念として広汎性発達障害があり、非定型自閉症、小児期の崩壊性障害、アスペルガー症候群Asperger's syndrome、レット症候群などが含まれます。また、自閉症は症例が多彩であり、健常者から重度自閉症者までの間にははっきりとした壁はなく、虹のように境界が曖昧であるため、その多様性・連続性を表した概念図を自閉症スペクトラムや自閉症連続体などと呼びます。
知的能力が低くない自閉症のことを高機能自閉症と呼び、また、知的能力の優劣に関わらず、一部の分野で驚異的な能力を有する場合もあり、その驚異的な能力を有する者をサヴァン症候群と呼ぶようです。
自閉症は男性に圧倒的に多く、頻度は1,000人に2人以下であるといわれています。原因は不明であり、脳機能障害が推定されています。
精神発達遅滞の合併頻度は70〜80%と高く、認知機能には特異的な不均衡さがあり、時に特異的に良好な記憶力を示すことがあります。
治療としては、以下のようなものがあると思われます。
第1の報告は、自閉症スペクトラム障害の発見方法を詳細に示したもので、下記のような徴候を挙げている:
・両親や世話をする人を見つめるとき、嬉しそうな表情がみられない。
・生後5カ月ごろ以降、親子の間での喃語でのおしゃべりがない。
・親の声を認識しない。親が子どもの名前を読んでも振り向かない。
・目を合わせない。
・9カ月を過ぎても喃語(なんご=片言を言う)が出ない。
・手を振る、指差すなどの身ぶりが少ないか、全くない。
・反復的な行動がある。
言語が発達するころに明確に現れる危険信号は以下のとおり:
・16カ月までに単語が出ない。
・1歳までに喃語がなく、指差しなどの身振りによる伝達もみられない。
・2歳までに2語文が出ない。
・年齢にかかわらず、言語能力が低い。
この報告では、たとえ親が特に心配していなくても、生後18カ月から24カ月の間にすべての小児について共通のスクリーニングを実施するよう推奨している。
第2の報告は、自閉症と診断された後の対応に焦点を当てたもので、早期介入の重要性を強調。自閉症が疑われる場合は、診断が確定するのを待たずに、できる限り早く介入治療を開始するよう推奨している。少なくとも週25時間、1年間の治療が必要だという。
また、小児科医へは家庭で行われる可能性のある補完療法や代替療法を知っておくよう推奨している。例えば、自閉症改善のために子どもにカゼイン・グルテン除去食を与える親がいるが、栄養障害を生じる危険もある。小児科医がこれを把握していれば、栄養士を紹介するなどの対応が可能である。睡眠障害や胃腸障害など、自閉症の小児に共通する医学的問題についても、小児科医は知っておく必要があるとしている。
(米国小児科学会が自閉症の新しいガイドラインを発表)
子供の成長や発達には個人差があり、「もう少し大きくなれば大丈夫ですよ」などと医師は説明しがちであるため、幼児が自閉症であると診断されるまでに、長く時間がかかるケースがあるそうです。そうなると、治療に最適な時期を逃してしまったり、お母さんに大きな心理的負担をかけてしまうこともあります。
やはり、しっかりと診断ガイドラインを規定し、治療を最適な時期に始められることが重要であると思われます。定義によれば、自閉症とは以下のようなものであるとされています。
3歳位までに症状があらわれ、
1.社会的な相互交渉の質的な障害
2.コミュニケーション機能の質的な障害
3.活動と興味の範囲の著しい限局性
の3つを主な特徴とする行動的症候群であるとされています。
自閉症の上位概念として広汎性発達障害があり、非定型自閉症、小児期の崩壊性障害、アスペルガー症候群Asperger's syndrome、レット症候群などが含まれます。また、自閉症は症例が多彩であり、健常者から重度自閉症者までの間にははっきりとした壁はなく、虹のように境界が曖昧であるため、その多様性・連続性を表した概念図を自閉症スペクトラムや自閉症連続体などと呼びます。
知的能力が低くない自閉症のことを高機能自閉症と呼び、また、知的能力の優劣に関わらず、一部の分野で驚異的な能力を有する場合もあり、その驚異的な能力を有する者をサヴァン症候群と呼ぶようです。
自閉症は男性に圧倒的に多く、頻度は1,000人に2人以下であるといわれています。原因は不明であり、脳機能障害が推定されています。
精神発達遅滞の合併頻度は70〜80%と高く、認知機能には特異的な不均衡さがあり、時に特異的に良好な記憶力を示すことがあります。
治療としては、以下のようなものがあると思われます。
治療は、早期からの発達を促す治療教育が必要であるとされています。社会適応の予後は、5歳までの言葉によるコミュニケーション能力あるいは全般的知能と強い関係があります。
根本的な原因を治療することは不可能とされていますが、 「TEACCH」「ソーシャルスキルトレーニング」などの各種プログラムなどによって社会生活を円滑にすることができるものもあります。
TEACCHとは、「自閉症及び関連するコミュニケーション障害の子どものための治療と教育(Treatment and Education of Autistic and related Communication handicapped CHildren)」のことであり、自立を目指したプログラムを一般的には指すようです。自閉症の人達の特性を文化ととらえ共に生き、共同治療者として親の立場・意見を尊重し、連携することを基本理念においています。主に行動療法によって、自立する道を探っていくようです。
ソーシャルスキルトレーニングとは、困難を抱える状況の総体を「ソーシャルスキル」と呼ばれるコミュニケーション技術の側面からとらえ、そのような技術を向上させることによって困難さを解決しようとする技法のようです。統合失調症の治療から学校教育にまで幅広く利用されているそうです。
根治は難しいようですが、病気と供に、一緒に歩んでいくことで道が出来ていくことが出来るのかも知れません。そのための社会支援や理解が広まっていくことを願っております。
【関連記事】
自閉症と親の年齢の関連:中高年で授かった子供でリスク大
ADHD発症児の母、喫煙率一般の2倍
根本的な原因を治療することは不可能とされていますが、 「TEACCH」「ソーシャルスキルトレーニング」などの各種プログラムなどによって社会生活を円滑にすることができるものもあります。
TEACCHとは、「自閉症及び関連するコミュニケーション障害の子どものための治療と教育(Treatment and Education of Autistic and related Communication handicapped CHildren)」のことであり、自立を目指したプログラムを一般的には指すようです。自閉症の人達の特性を文化ととらえ共に生き、共同治療者として親の立場・意見を尊重し、連携することを基本理念においています。主に行動療法によって、自立する道を探っていくようです。
ソーシャルスキルトレーニングとは、困難を抱える状況の総体を「ソーシャルスキル」と呼ばれるコミュニケーション技術の側面からとらえ、そのような技術を向上させることによって困難さを解決しようとする技法のようです。統合失調症の治療から学校教育にまで幅広く利用されているそうです。
根治は難しいようですが、病気と供に、一緒に歩んでいくことで道が出来ていくことが出来るのかも知れません。そのための社会支援や理解が広まっていくことを願っております。
【関連記事】
自閉症と親の年齢の関連:中高年で授かった子供でリスク大
ADHD発症児の母、喫煙率一般の2倍