以下は、最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学で扱われた内容です。

還暦を過ぎてから、老後の楽しみにと俳句を始めたA・E(62)さん。新しい友人も増え、充実した毎日を送っていましたが、ある日、この2、3日お通じがないことに気付きます。

数日後、夜中にうなされるような寝言を言っていたと夫から聞かされたA・Eさん。便秘も寝言もよくあることと特に気にしていませんでしたが、その2つの症状こそ、深刻な病の重要なサインでした。その後も様々な異変が続いたのです。

症状としては、以下のようなものがありました。
1)便秘
→以前は便秘であることも少なかったのですが、最近は便秘がちに。
2)寝言
3)指の震え
→何もしていない安静時に親指が震えだして、ペンを持ったり、包丁を持ったりするとおさまるという症状が出始めました。
4)手の震え
→次第に手の震えに拡がっていき、周りの人が見てもおかしいと感じるようになってきた。そのことを指摘されるのがイヤで、好きだった俳句の会にも出席しなくなっていってしまった。
5)震えが止まらない
→最初はペンを持ったりすると震えは止まっていましたが、次第に止まらなくなってきてしまいます。結果、文字を書くのも困難になってきてしまいました。
6)バランスが取れない
→二階から玄関に急いで行こうとしたとき、体のバランスを崩してしまった。そのままフラフラと姿勢を元に戻そうとしてもできず、階段を転げ落ちてしまった。


階段から落ちてしまい、病院へ運ばれたA・Eさん。そこで検査を受けていく内に分かった診断名は、以下のようなものでした。
彼女に告げられた病名は、「パーキンソン病」でした。
パーキンソン病とは、脳内でドーパミン不足とアセチルコリンの相対的増加とが起こっており、運動機能に障害が起きてしまう病気(神経変性疾患の一つ)です。自分の意思で体をコントロールできなくなり、症状が進行すると、歩けなくなったり、寝たきりになることもあります。

番組内のデータによると、国内の患者数はおよそ15万人。50代以上での発症が多く見られ(中年以降の発症が多く、20歳代の発症はまれであるといわれています)、65歳以上に限ると、100人に1人がこの病にかかっていると言われているそうです。

パーキンソン病の症状としては、以下の4つが有名です。
・安静時振戦
指にみられることが多く、上肢全体や下肢、顎などにもみられます。他の疾患による振戦と異なり、安静にしているときにも起こることがパーキンソン病の特徴です。精神的な緊張で増強する。動かそうとすると、少なくとも一瞬は止まります。このように、パーキンソン病の初期段階では、震えは安静時のみに起こりますが、何か作業を始めると震えは止まってしまいます。そのため、大した事はないと放って置く人が多いと考えられます。また、震えのため、書字困難もみられます。

筋強剛
力を抜いた状態で、関節を他の人に動してもらう際に、抵抗がみられる現象のことです。

無動
動作の開始が困難となってしまいます。また、動作が全体にゆっくりとして、小さくなります。仮面様顔貌、すくみ足、小刻み歩行、前傾姿勢、小字症、小声症などと個別の症状を捉えて言われることもあります。

姿勢保持反射障害
バランスを崩しそうになったときに、倒れないようにするための反射が弱くなってしまいます。A・Eさんのように、階段から落ちて骨折するなどの事故を招いてしまうこともあるようです。

番組内で紹介されていた研究では、パーキンソン病には、その前触れとなる前駆症状があることが明らかとなってきたそうです。それがA・Eさんを悩ませた「便秘」と「うなされるような寝言」だそうです。

パーキンソン病は、ドーパミンが減少する前に、まず脳幹という部分の下の辺りに、何らかの異変が起きると言われています。すると、脳幹にある排便や睡眠を調節する神経に障害が起き、便秘や寝言が出ると考えられているそうです。

パーキンソン病は、未だに完治の方法が見つかっていない疾患ですが、病院で適切な治療やアドバイスを受けることが重要です。こうした思い当たる節がありましたら、神経内科を訪れてみてはいかがでしょうか。

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