アジア人の男性は白人男性と比べて一般的に遺伝的な頭髪の悩みを抱える割合が少ないが、喫煙によりその差が縮まる可能性があるという。台湾の研究チームが19日に発表した。

同チームでは、平均年齢65歳の台湾の男性740人を対象に調査。その結果、1日に20本以上のたばこを吸った場合、喫煙が抜け毛の発生に重要な役割を果たしていることが分かった。喫煙は、毛包を破壊したり、頭皮内側の血液やホルモンの流れを阻害、またはエストロゲンの生成を増加させたりする可能性があるという。

同研究結果は、皮膚科学専門誌の11月号に掲載されており、抜け毛の兆候が現れた男性に対し、その進行を妨げるために喫煙の影響に気をつけるよう提言している。
(男性の頭髪の悩み、喫煙で悪化する可能性)


男性型脱毛症(AGA;Androgenetic Alopecia)とは、成人男性によくみられる髪が薄くなる状態のことを指します。爆笑問題がCMをしているため、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

思春期以降に額の生え際や頭頂部の髪が、どちらか一方、または双方から薄くなっていきます。一般的に遺伝や男性ホルモンの影響などが主な原因と考えられています。抜け毛が進行し、薄毛が目立つようになります。

毛髪が生え変わるヘアサイクルは、成長期(2〜6年)→退行期(2週間)→休止期(3〜4カ月)→成長期…となっています。ところが、AGAになってしまうと、成長期が始まったかと思うと、すぐに退行期に突入。毛髪が太く長く成長せずに、細く短いうぶ毛のような状態のまま抜けてしまうそうです。

AGAの脱毛部にはDHT(ジヒドロテストステロンであり、テストステロンが5αリダクターゼによって変換されたもの)が高濃度にみられ、これがヘアサイクルの成長期を短くする原因物質と考えられています。成長期が短くなることにより、髪の毛が長く太く成長する前に抜けてしまいます。十分に育たない、細い短い髪の毛が多くなると全体として薄毛が目立つようになります。

このAGAの治療法としては、以下のようなものがあります。
画期的と言われている治療薬「プロペシア」というものがあります。プロペシアは、「5αリダクターゼ阻害薬」というものです。「5αリダクターゼ阻害薬」は、薄毛の原因である男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)が作られるのを阻害します。その結果、短くなってしまったヘアサイクルの成長期を延長してくれます。また、皮脂の産生が低下するということも考えられます。

医師が処方する内服薬で、臨床試験では服用した半数以上の人の状態が1年で改善されたという結果がでています。薬代は1錠250円程度です。消費税を含めると1ヶ月約7,800円となっています。ただ、3年経過後は2日に1回や3日に1回の服用でも髪を維持できることが多くなってくるので、薬代も減らせることができるそうです。

副作用としては、眠気、精力減退、初期脱毛、重いものでは消化器症状や発熱、肝障害といったことが起きる可能性もあるため、定期的な受診が望まれます。

どのような機序であるのかは分かりませんが、喫煙は脱毛を促進させてしまうようです。気になっていらっしゃる方は、禁煙してみてはいかがでしょうか。

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