米コーネル大の研究者らが行った調査では、太り過ぎの人のほとんどは減量を望んでいるものの、健康的な体重にまで落とすことは考えていないことが明らかになった。

研究者らは、大学生310人を対象に調査を実施し、現在の体重と理想の体重について質問した。

その結果、標準体重の女性では約90%が減量したいと思っており、ほとんどの人が標準体重の範囲内で一段と体重を減らしたいと考えていた。

一方、太り過ぎの女性も減量を望んではいるものの、約半分が肥満のままで構わないと思っており、減量を希望する太り過ぎの男性の場合では、理想的と考える体重が標準体重を超えていたケースが59%に上った。

今回の調査について、コーネル大のロリ・ネイバーズ氏は「最も驚きだったのは、太り過ぎに分類された人の多くが、客観的なBMI指数による標準体重や健康体重を理想的とは考えていないことだ」と語った。
(太り過ぎの人、標準体重を理想的とは考えない傾向)


医学的に「肥満」の状態を表すのに、成人においては体重による肥満診断として、BMIが頻繁に用いられています(乳幼児ではBMIはKaup指数と呼ばれ、18.0以上が肥満傾向とされます)。BMIとは、Body Mass Index(ボディマス指数)の略であり、体重と身長の関係から算出した、ヒトの肥満度を表す指数です。体重(Kg)を身長(m)で2度割って算出します。

日本肥満学会基準によると、BMIが、25.0以上29.9以下なら肥満度I、30.0以上34.9以下なら肥満度II、35.0以上39.9以下なら肥満度III、40.0以上なら肥満度IVと分類されています。

肥満は数多くの疾患のリスクファクターとなります。特に、皮下脂肪型よりも内臓脂肪型(腹部CT上、内臓脂肪と皮下脂肪の比が0.276以上で診断)のほうが、合併症の頻度は大きくなるといわれています。

高脂血症や高血圧、動脈硬化を引き起こし、動脈硬化は虚血性心疾患、脳卒中などの原因にもなります。また糖尿病によって、糖尿病性腎症、網膜症、末梢神経障害などを起こすリスクも上がります。現在、国内では透析導入の最多である原因は、糖尿病性腎症となっています。

最近話題となっている「メタボリックシンドローム」は、内臓脂肪型肥満(内臓肥満・腹部肥満)に高血糖・高血圧・高脂血症のうち2つ以上を合併した状態をいいます。

さらに、「最近、太ってきたな」と感じられている、もともとは痩せておられた中高年の方は、以下のような危険性があると指摘されています。
若いころやせていたのに、中年以降に10キロ以上太った男性は、体重が安定していた人に比べ、心筋梗塞など虚血性心疾患になる危険度が2倍高いとの疫学調査結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が発表しています。

BMIが30以上(肥満)の男性は、標準的な体格(23以上25未満)の男性に比べ心疾患発症の危険度が1.8倍で、肥満と心疾患の関係がはっきりしています。

さらに、男性の約半数に当たる約2万3000人を対象に、体重の増減との関係に注目して分析。すると、20歳時点でBMI 21.7未満とやせ形だった人で、調査時までに10キロ以上体重が増えた人は、増減が5キロ以内だった人と比べ、危険度が約2倍になることが分かったそうです。

最近、太り気味とお考えの方は、「年齢だからしかたない」とは思わず、少しでも改善を考えた方が良さそうです。

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