24日午後8時半ごろ、さいたま市大宮区のJR大宮駅1番線の京浜東北線ホームから、埼玉県川越市野田町、弁護士、杉本進介さん(52)が落下し、進入してきた大船発大宮行き普通電車(10両編成)にはねられ、頭を強く打って間もなく死亡した。
 
大宮署の調べでは、杉本さんは電車がホームに入る直前、飛び込み自殺を図ったとみられる。
 
杉本さんは東京都内で弁護士事務所を開き、特許関係を専門に扱っていたという。家族の話によると、最近、仕事のことで悩んでいたといい、ここ数日、所在不明となっていたため、行方を捜していたという。

JR東日本大宮支所によると、この事故で、京浜東北線12本に運休や遅れが出て、乗客約7000人の足に影響した。
(弁護士が大宮駅で飛び込み?死亡)


内閣府が発表した「こころの健康に関する世論調査」では、「自殺者は年間3万人を超え、交通事故死者の4〜5倍」という実態は、66.4%が知っているなど、国民の自殺への関心が高いことが明らかとなっています。

しかしながら、その一方で、「『自殺する』という人は、本当は自殺しない」という「偏見」を5割以上の人が抱いていることも分かっています。こうした現状は、家族や親しい人が、自殺を抑止することや、対策(精神科に相談するなど)をとることが難しい、ということの現れであると思われます。

うつ病とは、気分障害の一種であり、抑うつ気分や不安・焦燥、精神活動の低下、食欲低下、不眠などを特徴とする精神疾患です。あまり生活に支障をきたさないような軽症例から、自殺企図など生命に関わるような重症例まで存在します。うつ病を反復する症例では、20年間の経過観察で自殺率が10%程度とされています。

生涯のうちにうつ病にかかる可能性については、近年の研究では15%程度と報告されています。日本で2002年に行われた1600人の一般人口に対する面接調査によれば、時点有病率2%、生涯有病率6.5%とされています。

うつ病患者では、抑うつ感、不安、焦燥などのために自殺することを望んだり、実際に実行してしまうことがあります(希死念慮といいます)。抑うつ感などによる苦痛の強い場合、不安・焦燥の強い場合、極端に自己評価の低い場合、罪責感の強い場合、妄想の見られる場合などは自殺のリスクが高いと考えられるため、より注意が必要です。

医師としても、うつ病を疑った場合、「そんなにつらいと死にたくなることはありませんか?」「ひどく落ち込んで、自殺について考えてしまうことはありませんか」などと尋ねることが必要とされています。

決して、注意を引きたいといったことや、ハッタリなどではなく、支持的に接する必要があります。「死にたい」といった言葉は、心からの必死の訴えであることがあります。軽んじることなく、診察を受けさせることが望まれます。

こうした鬱病の概念自体に関しては、かなりの人が認識しており、以下のような調査結果が出ています。
自殺の要因である鬱病については、「気分が重い」「落ち着きがない」などの主な症状を84.1%が「知っていた」と回答していたそうです。

ただ、身近な人の鬱病の症状に気づいた場合、89.2%が受診を勧めると答える一方、自分が鬱病の症状に気づいた場合、受診するとしたのは56.5%に止まっています。この点からの、精神科の敷居が高いことをうかがわせます。

しかしながら、生涯のうちにうつ病にかかる可能性については、近年の研究では15%程度であり、およそ10人に1人はうつ病に罹ってしまう可能性があります。あなた自身がうつ病を発症する可能性もあるわけです。

うつ病は結婚や昇進など、一見、喜ばしいことでもストレスや重圧となり、発症する原因となることがあります。

うつ病の主要症状としては、「抑うつ気分」と「興味・喜びの喪失」があります。「抑うつ気分」とは、気分の落ち込みや、何をしても晴れない嫌な気分や、空虚感・悲しさなどです。「興味・喜びの喪失」とは、以前まで楽しめていたことにも楽しみを見いだせず、感情が麻痺した状態です。

こうした症状が出て、「最近、何も楽しいと感じることが出来ない」といったことがありましたら、一度、精神科をおとずれてはいかがでしょうか。

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