親善試合のために25日にオーストラリアに到着した米メジャーリーグサッカー(MLS)ギャラクシー所属のデビッド・ベッカム選手(32)が、滞在先のホテルで待っていた小児がん生存者の子供たちを無視したとして非難を受けた。

ロンドンから自家用機でシドニー入りしたベッカムは、警察の護衛付きでシドニー市内のホテルに到着。しかしこの際、ホテルの外でベッカムの到着を待っていた子供たちの姿は見えなかったと話した。

報道陣から子供たちを無視した理由について聞かれたベッカムは、驚いた表情で「そんなことは決してしない。絶対にしていないし、今後もしない」と否定。さらに「私は(子供たちが)望む場所と時間で喜んで会う」と語った。

白血病を克服したエマ・バイヤーズさん(14)は、歓迎プレゼントとしてカンガルーのおもちゃをベッカムに渡そうと待機していたが、渡せなかったという。バイヤーズさんの母親はAAP通信社の取材に対し、現場は当時暗く、カメラのフラッシュがたくさんたかれたと説明した上で「彼は紳士だと思いたい。もし彼がそう言うのなら、当時の状況はその通りだったと思う」とコメントした。

ベッカムの所属するギャラクシーは、27日夜にオーストラリアのプロリーグ「Aリーグ」のシドニーFCと親善試合を行う。
(ベッカム、シドニーでがん生存者を無視と非難受ける)


何ともタイミングが悪く、ベッカム選手にとっても、子供達にとっても悲しい出来事になってしまったように思います。状況から、恐らく無視したのではなく、気づくことが出来なかったのではないか、と思われます。

15歳以下におこる「がん」を小児がんと呼び、成人以降の癌とはやはり性質が異なります。病理学的には、癌(上皮から発生)よりも肉腫(筋肉などから発生)が多いと言われています。また、頻度が高いものとしては、白血病、脳腫瘍、悪性リンパ腫、神経芽腫、ウイルムス腫瘍などがあります。

たとえば、急性リンパ性白血病は2歳から5歳の子どもに、骨肉腫は10代の子供に多いといわれています。白血病と悪性リンパ腫を合わせると、小児がん全体の約4割を占めます。

さらに、小児がんの特徴としては、以下のようなものがあります。
小児がんでは、深部から発生するものが多く、早期発見が難しい傾向にあるといえます。そのため、がんの発生頻度からすれば、小児がんは少ないですが、子どもの死亡原因を考えると、小児がんは事故に次いで第2位となっており、十分に脅威となりうると考えられます。

小児がんの治療としては、化学療法が有効なことが特徴的です。特に白血病では成人と違い、抗がん剤がよく効くことや、近年の治療法の発達などで、根治できるものも多くなっているといえます。たとえば急性リンパ性白血病は、1960年代から70年代初期に20-40%であった治療開始5年後の生存率は、今や75-80%となっています。

ただ、当然のことながらこうした治療法には副作用がともない、さらには社会性を学ぶ重要な時期を病院で過ごさなければならないといったこともあり、治療以外にも社会的な面での心配もあります。

さらに、晩期障害といって治療終了後長期間経ってから明らかになる治療に関連した障害が起こってくる可能性もあります。そのため、寛解に至ったからといっても、それ以後にもしっかりとした経過観察を行う必要があります。

こうした苦しく、いくつものリスクにさらされた子供達を、ベッカム選手のような人たちが率先して支えてあげて欲しいと思います。

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