浦和戦(24日)で右目を負傷したMF本山雅志(28)が、網膜はく離になる危険性があることが26日、分かった。この日、クラブハウスで診察したチームドクターが「今は炎症している状態。このまま回復していけば、次の清水戦(12月1日・カシマ)も大丈夫だろう」と話した上で、「外傷性だから網膜はく離などの可能性もある。今後の経過を見守りたい」と明かした。

本山は浦和戦で、相手選手が蹴ったボールが顔面を直撃し、右目を負傷。試合には出続けたが、「(右目は)ほとんど見えない状態だった」という。練習再開となったこの日も「右目の内側が見えにくい」と明かした。それでも、逆転優勝へ向け、勝利が義務づけられる清水戦に「見えなくても出る。まだ、何も成し遂げていない」ときっぱり。強行出場で優勝を勝ち取る決意だ。
(本山網膜はく離も…24日浦和戦で右目負傷)


網膜剥離とは、網膜から神経網膜が剥がれる病態を指します。視力・視野を失う可能性もあります。

網膜剥離は大きく分けて、裂孔原性網膜剥離と非裂孔原性網膜剥離に区別されます。
裂孔原性網膜剥離とは、網膜裂孔を原因とし、網膜剥離が起きたものを指します。一般に網膜剥離というとこれを指すことが多いです。

非裂孔原性網膜剥離には、硝子体の牽引による牽引性網膜剥離と滲出性網膜剥離とがあります。牽引性網膜剥離は、増殖膜等による網膜の牽引により、網膜剥離が起きるものです。糖尿病網膜症、未熟児網膜症などで起こります。滲出性網膜剥離は、脈絡膜の炎症、色素上皮の関門機能の失調が原因となります。

本山選手のように、ボールが目に当たるなど、強い力が目に加わって網膜が剥離してしまう外傷性網膜剥離も、裂孔原性網膜剥離の一つです。ボクサーなども頭部を直接打撃される頻度が非常に多いため、網膜剥離にかかる危険性が高いことで知られています。小さく硬いボールが眼球に当たるケースがあるため、野球やテニスをやっている人が網膜剥離にかかることもあります。

行うべき検査や治療は、以下のようなものがあります。
最も大切な検査は眼底検査です。これは、点眼薬で瞳孔を開き、眼底の様子を調べます。硝子体出血などで眼底が見えないときには、超音波検査を施行することもあります。他にも、見えない部分の位置を調べる検査である視野検査を行います。

網膜剥離の治療としては、大きく分けてレーザー光凝固術および手術(強膜バックリング法や硝子体手術)があります。

レーザー光凝固術とは、裂け目ができた状態ではレーザー治療で裂け目の周りをレーザーにて瘢痕を作りそれ以上剥離しないようにして治療するものです。比較的短時間で終わり、痛みもほとんどなく、外来で受けられます。ですが、網膜剥離の予防手術としては、その効果に限界があったり、網膜剥離の進行を完全に防止できるわけではありません。

網膜剥離が生じレーザー治療では治療し得ない場合は、外科手術で治療する必要があります。手術には強膜内陥術、硝子体手術などがあります。強膜バックリング法が眼球を切開せず網膜剥離を外側から治す治療法であるのに対し、硝子体手術は内側から治す方法といえます。

強膜バックリング法では、裂孔のある部位の強膜を半層切開して電気針や冷凍プローブで裂孔のある網・脈絡膜に相当する部位に火傷や凍傷を人工的に作ります。この人工の炎症によって、裂孔は下の脈絡膜と癒着する硝子体手術で、まず眼内の硝子体を切除し、最後にガスを入れ、裂孔の周囲をレーザーや冷凍凝固で固めます。

手術を受けず、しかも激しい運動をするというのは非常に危険なことであると思われます。できればしっかりと安静にして、治療を受けていただきたいと思われます。

【関連記事】
有名人の症例集

テリー伊藤氏が斜視矯正手術を受ける