以下は、最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学で取り上げられていた内容です。

スーパーでレジを打ち続けて8年になる主婦のY・Y(56)さん。立ちっぱなしの仕事の後は、足がむくみ、履いてきた靴も入らないほど。

家にいる時ぐらいは楽にしたいと体を動かさず、テレビで好きな海外ドラマばかりみていました。そんなある日、夕方になると、なぜか足が重く、とてもだるくなり始めたY・Yさん。異変はそれだけでは終わりませんでした。

主な症状としては、以下のようなものがありました。
1)足のむくみ
スーパーでのパート仕事を行っているため、立ちっぱなしのことが多く、仕事の後はくっきりと靴下のゴムのあとが付くほどむくんでいました。履いてきた靴に履き替えると、きつく感じます。
2)足が重くだるい
仕事中にも足が重だるく感じるようになり、仕事中に何度も、さするようになりました。相変わらず足は、むくみがひどい状態でした。
3)こむら返り
夜に寝ようと思うと、以前はあまりなかった「こむら返り」を感じるようになりました。
4)湿疹
膝関節に近いふくらはぎの部分が痒くなり、掻くことが多くなりました。みると湿疹が出来ており、かゆみ止めを塗っていました。
5)皮膚のただれ
かゆみ止めを塗ってごまかしていましたが、湿疹は治らず、同僚に皮膚がただれていることを指摘されてしまいました。

皮膚がただれてしまったため、近所の皮膚科を訪れたY・Yさん。そこで皮膚科医に「血管外科を紹介します」と言われました。彼女の病名は、以下のようなものでした。
Y・Yさんの病名は、「下肢静脈瘤」でした。
「下肢静脈瘤」とは、足の静脈に血液が溜まることで、血管がコブのように膨れてしまうものです。放っておくと炎症を起こし、出血や潰瘍にまで発展することもあります。ひざの裏側や、ふくらはぎ周辺に、血管がぼこぼこと浮き上がり、足全体に範囲が拡がっていきます。

血流のうっ滞症状としては、だるさ、痒み、むくみなどがよくみられ、足がつる「こむら返り」もしばしば認められます。重症例では皮膚が障害され皮膚炎、湿疹、色素沈着、潰瘍などがみられることもあります。自覚症状がなく、ボコボコと浮き出た血管の美容上の問題を主訴とする場合も少なくありません。

足のむくみは、静脈で心臓へと戻れない血液が滞って圧力が高まり、血管の外に水分が染み出して発生します。通常、人間は、ポンプのような役割を持つ足の筋肉を動かすことで、溜まった血液を心臓に戻すことができるため、むくみも解消できます。さらに静脈内には、一定の間隔で弁が付いています。これが血液の逆流を防いでいます。

ところが、Y・Yさんのように、長時間立ち仕事を続けていたばかりか、家でもあまり足を動かすことがないと、常に足の血管の圧力が高くなり、血液の逆流防止装置である弁が破壊されてしまいます。こうなると、血液がどんどん末端に溜まり、さらに圧力が上昇します。むくみも悪化の一途をたどり、ついには足に老廃物が溜まり、周囲の細胞が炎症を起こすことになってしまいます。結果、「こむら返り」や「湿疹」の原因となります。

ひざの裏側や、ふくらはぎ周辺に、血管がぼこぼこと浮き上がり、足全体に範囲が拡がっていくのが一般的ですが、Y・Yさんのように血管の浮き上がりが目立たないケースがあります。こうしたケースでは、進行状況は一緒でも、目に見える症状が少ないため、発見が遅れてしまうことが多いといわれています。

静脈瘤自体の診断としては、超音波ドップラー法や断層法などの超音波装置を用いた検査、脈波法、静脈造影などを行います。番組中でも、エコーを用いた検査が行われていました。

血液の逆流防止装置である静脈弁は、一度壊れたら再生は不可能で、自然に治癒することはありません。Y・Yさんのように進行している場合、静脈瘤を手術で取り除くことが必要となってきます。

保存的な治療法としては、医療用の弾性ストッキングや弾性包帯で、下肢に適度な圧力を与えることで下肢に余分な血液がたまることを予防し、下肢の深部にある静脈(深部静脈という下肢静脈の本幹)への流れを助けます。ただ、これは症状の緩和や進行防止・現状維持が目的で、下肢静脈瘤そのものが治るわけではありません。

手術としては、硬化療法(硬化剤を注入して静脈の内側の壁と壁をくっつけてしまう方法)や、静脈抜去手術(弁不全をおこしている静脈を引き抜いてしまう方法)などを行います。手術の合併症としては、周囲の知覚神経を障害することもあります。

下肢静脈瘤は、長い時間立ち仕事をする人だけでなく、同じように足を動かさない座り仕事の人もなりやすいのです。そして推定患者数1,000万人のうち、女性が7割を占めている、女性に多いといわれています。

予防法としては、イスに座って、足首から先を上げ下げする運動が紹介されていました。10回1セットで、1時間に1回程度行うと良いそうです。座りっぱなしだったり、立ち仕事が多い人は、試してみてはいかがでしょうか。

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