インフルエンザや新型肺炎(SARS)などの呼吸器系ウイルスの感染を予防するには、薬よりも手洗いやマスクの着用といった物理的な方法が効果的との可能性を示す研究結果が明らかになった。

国際的な科学者チームが、51の研究結果を精査。所見を英医学会会報で発表した。

研究チームでは「山のような証拠は、ワクチンや抗ウイルス薬がインフルエンザの感染を予防するのに不十分であることを示した」として、国の流行病対策プランはより簡単で安価な物理的手段に重点を置くべきだと提言している。

同チームによると、手洗いやマスク、手袋、ガウンの着用はそれぞれが呼吸器系ウイルスの感染予防に効果的であり、それらを組み合わせることでさらに予防効果が高まるという。
(ウイルスの感染予防、薬より手洗いなどが効果的)


手洗いは、小さな頃から「帰ってきたら、うがい手洗い」などと教えられてきたのではないでしょうか。効果を疑っている人もいるかも知れませんが、上記のニュースではその予防としての効力をもっているとのことです。

手洗いやうがいは、風邪やインフルエンザ、ノロウイルス対策にも効果が期待できると思われます。また、食品を扱う際は、O157などを始めとして食中毒対策という側面も持ちます。

ただ、流水で洗うだけや、普通の石けん(薬用以外)では汚れを落とすのみで、殺菌効果はあまりないのではないかと思われます。確実な感染症予防には、消毒液を使用した方が良いと考えられます。

いわゆる薬用石けんとは、通常の石けんにトリクロサンやトリクロカルバンなどの殺菌成分を配合したものが一般に普及しています。食事前などでは、できればそうしたものを利用して、しっかりと消毒することが望まれます。

特に、昨年の冬や今年の4月にも流行したノロウィルスや、今年すでに流行のきざしをみせているインフルエンザは、以下のような対策が望まれます。
ノロウィルスの症状の始まりは、突発的に起こることが多く、夜に床につくと突然腹の底からこみ上げてくるような感触と吐き気を催し、吐いてしまうことが多い。それも一度で終わらず何度も激しい吐き気が起り、吐くためにトイレのそばを離れられないほどだそうです。

こうなる前に、しっかりと予防をしたいところです。対策としては、薬用せっけんを使った流水での手洗いと、一般家庭にもある塩素系漂白剤による食器やまな板などの消毒が重要です。特に、患者発生後には、感染の拡大を防ぐために、ウイルスを大量に含む患者の便や嘔吐物のついたものはしっかりと塩素系漂白剤などを用いて洗ってください。

インフルエンザは、特に免疫力の低下したお年寄りやお子さんで、できればワクチンを打った方が予防にはなると思われます。ただ、このワクチンの効果は、年齢、本人の体調、そのシーズンのインフルエンザの流行株とワクチンに含まれている株の合致状況によっても変わります。また、ワクチンによる効果(抗体が産生される)までには、3〜4週間ほどかかるといわれています。

やはり、「ワクチンを打ったから」と安心するのではなく、温かい格好や手洗いうがいの徹底、規則正しい生活や食事を心がけることは重要です。

個人的な経験で申し訳ありませんが、帰ってから薬用石けんでの手洗いやうがいを心がけてから、風邪をひく頻度が低くなったように思います。特に受験生などは、しっかりと感染予防を心がけるため、手洗いやうがいをしっかりとしましょう。

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