乳がんや子宮がんの手術後などに起きるリンパ浮腫の治療に有効な弾性着衣(サポーター)に保険が適用されるよう、患者や医師らで作る非営利団体(NPO)「鬨(かちどき)の会」のメンバーが27日、舛添要一厚生労働相に請願した。

同会代表世話人の北村薫・九州中央病院(福岡市)乳腺外科部長によると、舛添厚労相は「来年4月をめどに努力します」と答えたという。

リンパ浮腫は、がん手術の際のリンパ節切除や放射線治療により、リンパ液の流れが悪くなってたまることで起きる。腕や脚のむくみ、痛みなどが主な症状で、国内では重症患者だけで約10万人と推定されている。

北村部長が班長を務めた日本乳癌学会研究班の調査では、早期に発見し腕や脚を圧迫する弾性着衣を着けることで、症状を軽減したり重症化を防止したりできることが確認されている。

しかし、1着1万−4万円と高価で年2、3回の交換が必要なため、患者にとって大きな負担となっており、同会は保険適用を求める11万4000人余りの署名を集め、この日も一部を提出した。
(浮腫治療着衣に保険適用を NPOが厚労相に請願)


リンパ浮腫とは、リンパ管やリンパ節が広範に閉塞し、リンパの流れが障害され、組織液がリンパ管系に吸収されず、そのために水腫をきたした状態です。

もともと、リンパ管は豊富な吻合があるので、小さいリンパ管の閉塞では障害が起こることはありません。しかし、大きなリンパ路の狭窄、腫瘍による閉塞・破壊あるいは乳癌や子宮癌などの手術による除去を行うと、その流域に組織液の停滞をきたし、二次性リンパ水腫を生じます。

リンパ浮腫は、通常のうっ血水腫に比べてタンパク含量が多く、持続すると結合組織の増殖・線維化が著しくなってしまい、象皮病とよばれる状態に至ります。これは、以下のようなものです。
象皮病とは、その名の通り、象の皮膚のように硬く、ゴツゴツとして灰褐色になってしまう状態を指します。リンパ液の慢性うっ滞、リンパ管の閉塞および結合組織の増殖による身体の一部の異常な肥厚を呈した状態です。

はじめは膨らんだ皮膚を押すと、陥凹をつくりますが、結合組織の増殖が著しくなると皮膚は硬くなってきます。表面は、はじめ黄白色ないし青赤色ですが、次第に汚褐色となり、角質化してきます。

実際には、手足が太くなってしまったりして、ズボンを履いたり、歩いたりするのも難渋するような状態になってしまう患者さんもいらっしゃるようです。治療も難しく、圧迫帯や上記のように弾性着衣を着けることで対策を行うといったことが試みられています。

しかしながら、1着1万〜4万円という高額なものであることか難点なようです。ツライ癌治療に耐え、克服された方が、手術後にもこうした苦しみを味わってしまう状況を少しでも改善するためにも、こうしたサポートが必要になると思われます。

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