民主党の小沢一郎代表がガン手術歴があったことが29日、わかった。同日午前のテレビ朝日の情報番組で小沢氏が明らかにしたもので、「(昭和44年に衆院選に初当選した)すぐのころで甲状腺。たまたますぐにわかって手術をした」と告白。

しかし手術後声が出なくなり、「本当に政治家を辞めようかと思った。地方選挙の応援に来いといわれ、それで声が出なかったらその場で政治家を辞める以外ないと思って行ってて、思いっ切り声を出したら出たんですよ」と一時は政界引退を決意したとの“秘話”を語った。

他の出演者らは「心臓が悪いと聞いていたが、初耳だ」と驚いていたが小沢氏は「当時はマスコミにも相手にされていなかったから」とすましていた。

同番組にレギュラー出演している鳥越俊太郎氏が今年、ガン手術を受けたことから、小沢氏は「ガンは早く見つければ何のことはない。激励のつもりで言った」(周辺)という。
(小沢代表がガン!? 一時「政界引退も考えた」)


東国原英夫知事も9月の定例会見で、人間ドックを受診した結果、甲状腺に腫瘍が見つかったことを明らかにしていました。4〜5mmの腫瘍が2ヶ所見つかり、再検査した結果、良性と診断されました。

甲状腺腫瘍には良性および悪性(癌)の腫瘍があります。
良性腫瘍は、濾胞腺腫、腺腫腺腫様甲状腺腫、機能性結節に分類されます。ほとんどは濾胞腺腫です。甲状腺癌には乳頭癌、濾胞癌、未分化癌、髄様癌がんがあり、そのほかに悪性リンパ腫が甲状腺にできることがあります。

症状としては、喉にしこり(腫瘤)を触知します。それ以外には典型的な症状はないですが、大きさによっては嗄声や喉の痛み、嚥下障害が見られることがあります。

腫瘍の良・悪性をみるための診断方法や治療は、以下のようなものがあります。
行う検査としては、超音波検査と穿刺吸引細胞診などがあります。

まず、超音波ですが、甲状腺の良性腫瘍は大部分が濾胞性腺腫で、辺縁は滑らかで、狭い低エコー帯を示すことが多いといわれています。内部エコーは均一ですが、中央部に嚢胞変性などを伴うことも多いです。内部がほとんど嚢胞化している腫瘤の大部分は良性ですが、一部に悪性病変が存在することもあるので注意が必要です。

甲状腺癌の大部分(80%前後)は乳頭状腺癌で、辺縁は不整、内部は低エコー充実性で砂粒小体と呼ばれる微細な点状高エコーを示したり、内部の嚢胞変性や石灰変性による不整なエコーを伴うことがあります。

こうした所見だけではやはり、良・悪性の判断は難しいので、穿刺吸引細胞診で実際に腫瘍部分をとってきて病理診断を行います。その後、どういった疾患なのか確定されます。ほかにも、シンチグラフィや腫瘍マーカーを調べたりします。

良性であれば、経過観察ということになるのでしょう。時に大きくなったり、濾胞腺腫だと思っていたら濾胞癌であった、ということもあるので、その後は検査が必要になっていきます。

また、悪性腫瘍の場合でも、1cm以下で症状のない微小癌では経過観察することもあります。基本的には甲状腺摘出術を行います。再発予防のためリンパ節廓清や放射性ヨード投与を行うこともあります。

上記ニュースで「声が出なかったらその場で政治家を辞める以外ないと思って行ってて…」と小沢さんが語っていますが、これは恐らく術後の合併症で反回神経麻痺を傷つける恐れがある、と言われたことを受けたものだと思われます。(片側)反回神経麻痺が起こると、声帯が十分に閉じず、声が掠れてしまいます(嗄声)。

無事手術が行われ、現在の姿があるようです。こうした告白が、癌患者さんの励み(癌になるのは自分だけではなく、多くの人が闘っているのだという)になれば、と思われます。

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