韓国の採石場で働く33歳の男性作業員が変死体が見つかり、警察と検視担当医が29日に男性の胸元に燃えた状態の携帯電話があったと発表した事件に関し、警察は30日、被害者の同僚が職場で起こした事故を隠すためうそをついていたと発表した。

警察が携帯電話のバッテリーが爆発した可能性を捜査していたところ、29日夜になって、死亡した男性と同じ採石場で働く同僚の作業員が、自分が建設用車両をバックさせる際に誤って男性を岸壁に抑えつけて殺害した上で携帯電話の爆発という作り話をしたと自供した。

検視を行った大学病院の医師は、被害者の男性は胸にやけどをしていたほか、肋骨は骨折し、内出血も見られたと述べた。

地元メディアによると、警察は現在、携帯電話が燃えた原因について、男性を壁に抑えつけた際の強い圧力で燃えたのか、同僚の作業員が故意に燃やしたのかを捜査している。
(「携帯電話爆発で男性変死」は事故隠すためのうそ)


担当医だという医師の胸部レントゲンを用いた説明によると、「多発肋骨骨折がみられ、脊髄の損傷もみられた。心臓も右側にシフトしていた」とのことです。

これだけですと、胸部の熱傷もあり「爆発による損傷か?」などと思ってしまいますが、鑑識によると損傷が脊髄、左腕、右手薬指の骨折などにも及んでおり、ここまで広範囲に強い衝撃がバッテリーの爆発によって起こるとは、やはり考えにくいように思われます。実際、さまざまな偽証や工作を行ったようですが、あっさりとバレてしまっています。

実際には工事現場の同僚による重機による車両安全事故であったそうです。こうした"ある程度のスピード以上での自動車事故"や"高所からの転落"など、目に見える徴候がなくても、受傷機転から考えて生命に危険のある損傷を負っている可能性が無視できない状態を高エネルギー外傷といいます。

高エネルギー外傷の患者さんの場合は、以下のような対処を行います。
高エネルギー外傷のように、生命に危険が差し迫っている、もしくは潜在的に生命の危険が無視できない傷病者に対しては、救助者のリーダーが"ロード&ゴー"を宣言します。これは、迅速な車内収容と高度な医療機関への搬送に取り掛かることです。

迅速な収容・搬送のほか、頭頚部から体幹への「生命に危険のある損傷」の処置を最優先して処置を行います。具体的には、以下のような手順で行います。
・状況評価
感染防止や現場の安全確保、受傷機転の確認や傷病者の正確な人数把握を行います。
・初期評価
まずは、頭部が動かないように保持します。これにより、頚椎損傷により生命予後や機能予後が低下することを防ぎます。そして、意識はあるか、正常に呼吸しているかといったことを確認します。
・全身観察
まずは頭頸部から全身へ、どのような外傷を負っているのか、視診や触診で調べていきます。特に、気管の偏位、皮下気腫、頚静脈怒張(これからは緊張性気胸や心タンポナーデなどの恐れがある)、頸部触診にて後頚部圧痛の有無(これがあれば頸椎損傷を疑う)などを調べていきます。
・全脊柱固定
搬送のために、バックボードに固定します。
・車内活動・継続観察
バイタルサインや体温の状態などを監視しながら移動します。

被害者が即死だったかどうかは分かりませんが、少なくとも事故を隠蔽しようとして、救急隊への連絡などを怠ったことは許される行為ではないと思われます。再発防止や建設現場の安全を確保するための環境作りが求められていると思います。

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