厚生労働省は30日、平成20年度からの導入を目指している、脳卒中などの入院患者のリハビリテーションを対象に改善度合いで診療報酬に差を付ける「成果方式」について3つの評価基準をまとめた。自宅に戻ることができた患者が退院患者の一定割合以上いることなど、リハビリの「成果」を評価するもので、厚生労働相の諮問機関・中央社会保険医療協議会(中医協)に示した。

評価の基準は、以下の3点。
1)退院患者の自宅復帰率が4分の3程度に達しているか
2)回復見込みの高い軽症患者ばかり入院させることを防ぐため、重症患者も1〜2割程度受け入れているか
3)リハビリを受けた重症患者が、退院時までに「介助なしに着替えが可能」などの日常生活機能で一定程度回復しているか

条件をクリアした病棟を対象に、実績に応じて診療報酬を加算する。評価基準の具体値は、中医協でさらに調整する。成果方式の導入を目指す背景には、入院の長期化に歯止めをかけ、医療費の抑制につなげたいとの狙いもある。

一方、厚労省は、脳卒中や骨折などに関するリハビリについて、発症から1カ月以内といった早期に着手した場合の診療報酬を加算する方針も示した。これらのリハビリは発症から1、2カ月後に開始されるケースが多いが、早めに始めたほうが、より機能回復が見込めるためで、報酬を手厚くすることで早期リハビリ態勢を充実させる。
(厚労省、リハビリ成果方式に3基準 患者選別防止へ)


語源はreはラテン語でback ward(うしろへ,もとへ,再び)で、habilitationはhabilitare(適させる,能力を持たせる)が基本で、これに英語のhabile(上手な,器用な)という形容詞的な意が加わったと考えられます。

何らかの原因で社会の戦列から離れた人が再び復帰する現象を表す用語である現在では、「障害を持った人が生活していく手段を得るためのアプローチの総体」を指す、といった意味合いをもつと思われます。

WHOの障害モデルとしては、以下のようなものがあります。
・機能障害: 臓器レベルの障害です。心身機能や身体構造の障害で、治療により改善を目指します。具体的には、頚髄損傷や四肢麻痺などがあります。
・活動制限:個体レベルでの障害です。個体が活動する際に生じる障害で、福祉用具を使用しての動作の獲得を目指します。具体的には、歩行障害などがあります。
・参加制約:社会レベルの障害です。社会的活動に参加しようとする際に生じる障害で、改善には社会環境の整備が必要です。具体的には、就職困難などです。

こうした障害を克服する手助けとして、リハビリテーションがあります。

特に、身体に障害を持つ人々に対し、その残存能力を最大に活用し,たとえ重度の障害で日常生活の上で介助が必要であっても、社会の一員として自己の権利を主張し生活を送りうるようにする方策のすべてを含めてリハビリテーション・サービスと呼んでいます。このサービスには医学、職業、社会、心理、教育など多方面からのアプローチが必要です。

ですが高齢化に伴い、膨らみ続ける医療費の削減は避けられない状況となっています。その波は、以下のようにリハビリの現場にも押し寄せています。
2006年04月から医療保険を使って受けられるリハビリテーションの期間が、最長で6ヶ月に制限されたときにも起こりました。医療費削減に取り組む厚労省は「不十分なリハビリを長期間続けるより、早期に専門的な訓練を行う方が効果的」として、4月に診療報酬を改定し、脳血管疾患は6ヶ月、心疾患は5ヶ月などと、保険適用の日数が制限されてしまいました。

結果、必要なリハビリが受けられないという事態に陥ってしまったケースもあるようです。もちろん、回復の度合いは個々人で異なり、たとえ日数制限を超えてもリハビリを必要としていたり、回復すると期待されるケースもあるわけです。

さらに、上記ニュースのような成績評価制度が適応されるとなると、「回復の見込みが薄い」と判断された場合、もしかしたらリハビリの受け入れを拒否してしまう病院も出てくるかも知れません。

また、回復の度合いを虚偽申請してしまう病院も現れてくるかも知れません。こうした事態になってしまうと、患者さんに不利益が及んでしまう可能性もあると思われます。たとえば、正確に回復の度合いを把握することができなかったり、回復の段階に沿わない、効果をあまり期待できないリハビリを課されてしまう可能性もあるのではないでしょうか。

もちろん、こうした事態への対処も考慮されているかとは思われます。ですが、医療費削減ばかりが優先されている傾向にあるように思われて、その点が危惧されます。

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