がんで右の腎臓を摘出する苦難を乗り越えたプロレスリング・ノアの人気レスラー、小橋建太選手(40)が2日、東京・日本武道館で約1年半ぶりにリングに復帰した。タッグマッチでフォール負けしたが、超満員の観衆が大歓声を送った。

小橋選手は「ファンの声援があったから復帰できた。今度は自分が勇気を与える番。誰にでも元気を与えられるレスラーを目指す」と今後の健闘を誓った。

京都府出身で「鉄人」のニックネームを持つ小橋選手にがんが見つかったのは、昨年6月。翌月の手術は成功したが復帰は絶望視され、医師からも「まず生きること」と言われた。リングへの思いを捨て切れず、懸命なリハビリや食事制限に取り組み、驚異的な回復力を見せて復活。「これがゴールじゃない」とファイトをアピールした。
(鉄人・小橋、がん乗り越えリング復帰)


小橋選手は昨年の6月、右の腎臓に4〜5cmの腫瘍があり、実際に摘出しないと判断できないが、画像からは悪性の疑いがある、と指摘されていたそうです。あくまで可能性の段階であると前置きした上で、悪性腫瘍であるという疑いがあることも明かしていました。

腎細胞癌は、腎臓に発生する悪性腫瘍の中で最もよく見られる悪性腫瘍です。腎腫瘍の85%を占め、その90%は40歳以降(特に60代から70代にかけて好発)に生じ、男性に多いといわれています。10万人あたり、男性では5.6人、女性では4.1人の確率で見られるそうです。

腎細胞癌の確立されたリスク要因としては、喫煙と肥満(特に女性の肥満)とされています。その他、利尿剤服用(特に女性)、フェナセチン含有鎮痛剤がリスク要因の候補に挙げられています。

他にも、アスベストやドライクリーニング従事者によるテトラクロロエチレン曝露など、職業性曝露が可能性のあるリスク要因として指摘されています(膀胱癌ほど強い関連はないそうですが)。

腫瘍細胞の形態からは、淡明細胞型(clear cell type)、顆粒細胞型(granular cell type)、紡錘細胞型(spindle cell type)、多型細胞型(pleomorphic type)、そしてこれらの混合型に分類されています。WHO分類では、さらに色素嫌性細胞癌、嚢胞関連腎細胞癌、乳頭型腎細胞癌、集合管癌などがあります。

淡明細胞型は、最も一般的で、70%の確率で見られます。その名の通り、光顕的に細胞質が明るい腫瘍細胞として見えます。染色体3pの欠損、VHL遺伝子の欠損がしばしば認められるそうです。顆粒細胞型は、15%の確率で見られます。腫瘍細胞の細胞質が好酸性で、微細顆粒状を呈します。

悪性度および進展度は、Robson分類によって、4段階に分けられます。腫瘍の直径が2cmを超えると転移が始まるそうです。転移先は、肺が55%、リンパ節が34%、肝、骨、副腎、対側腎などです。
・Robson分類と生存率
鬼(腎被膜内限局):70〜80%
挟(Gerota筋膜をこえない):60〜70%
郡(腎静脈腫瘍血栓、所属リンパ節転移):30〜50%
鹸(隣接臓器浸潤、遠隔転移):10〜20%

症状や治療は、以下のようなものがあります。
腎細胞癌では、腫瘍の最大径が5cm以上になってくると症状が現れてきます。ですが、そえまでは無症状のことが多いです。

腫瘤形成、血尿、疼痛が古典的な三大症状とされていますが、これらはいずれも、腫瘍がきわめて大きく進展した場合です。全身的症状として発熱、体重減少、貧血などをきたすことがあります。近年では、上腹部エコー、CTなどの画像診断時に偶然発見される場合が増えています。他には、赤沈亢進、不明熱、血清タンパク異常などの腫瘍外徴候から発見されることも少なくないそうです。

治療としては、腎細胞癌の治療の主体は外科療法です。病期に関わらず、摘出できる場合は腎臓の摘出、あるいは腎臓を部分的に摘出することが最も一般的です。というのも、腎臓を摘出する手術がそれほど侵襲性が高くなく、摘出後に転移巣に対して免疫療法、外科療法などを行うことにより抑えられる、といったことが理由としてあげられます。現在では、腹腔鏡下手術が行われている病院もあり、腹部を大きく切らないため傷が目立たず、術後早く退院できるといったこともあるようです。

他には動脈塞栓術といって、腎動脈を人工的に閉塞させ、癌細胞に血液が流れ込まないようにする方法もあります。

抗癌剤に関しては、あまり効くようなものがないようなので、免疫療法による方法が試みられているそうです。インターフェロンやインターロイキン2を点滴したり、注射したりします。

見事、小橋さんは復活なさったようです。今後も、元気な姿をみせていただきたいと思います。

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