北方四島の国後島で大やけどを負い、札幌医大病院(札幌市)に緊急搬送されて皮膚の移植手術などの治療を受けていた男児、ニキータ・ルイジョフちゃん(2)が7日、退院する。平成10年度から始まった北方四島のロシア住民患者の日本受け入れで、緊急搬送されたのはニキータちゃんが初めて。

ニキータちゃんは10月12日に国後島から船やヘリコプターで病院に緊急搬送された。両腕、両足、背中の一部に皮膚を移植する手術を受け、その後順調に回復。退院後は当面、札幌市内に滞在し、通院して治療を受けるという。

国後島の地元自治体から「男児が熱湯をかぶり大やけどを負った。島で治療できないため日本に搬送してほしい」と外務省に要請があり、同省が緊急性と人道的観点から受け入れを決めた。
(大やけどの国後の男児退院 札幌で移植手術して回復)


熱傷とは、お湯や油などの熱・化学薬品・放射線などが原因で生じる体表組織(主に皮膚)の局所的損傷のことを指します。熱傷の重症度は、その深さと面積で決定され、掬戮ら慧戮泙琶かれています。第1度:紅斑、第2度:水疱、びらん、潰瘍、第3度:壊死(第4度:炭化)と分けられます。

のちのち問題となる瘢痕は、凝戮涼罎任眇蔀性凝(真皮・乳頭層、乳頭下層まで)に達すると残ってしまうと考えられています。ですので、浅達性凝戞⊃蔀性凝戮慮極めが治療を進める上で大きな分岐点となります(植皮などを考える上で)。通常、ピンセットなどで患部を圧迫し、ピンセットを離した時白くなった部位が元に戻ったら浅達性凝戞△修里泙涎賣が滞り白かったら深達性凝戮塙佑┐蕕譴討い泙后

また、受傷面積は全身状態に大きく影響するため適切な算定が必要です。そのため、成人では9の法則、小児では5の法則などで算出します。全体表面積に対して、2度で10%以下、3度で2%以下を軽症とし、2度30%以上、3度10%以上を重症とします。軽症以外では、ショックの危険があるので感染予防と同時に補液に注意を払う必要があります。

人間の皮膚は45℃以上の温度で熱傷になります。45℃の場合1時間、70℃の場合1秒で組織の破壊が始まります。熱湯がかかってしまったような場合、「すぐに水で冷やせ」というのは、水がなかなか温度が下がらず、ジワジワと組織にダメージを与えていくからです。他の熱傷の場合にもいえることですが、「熱い!」と思ったらすぐに冷やすことを考えたほうよさそうです。

治療としては、以下のようなものがあります。
受傷部の処置としては初期には十分な冷却が必要です。患部を1秒でも早く、水で冷やすことが推奨されます。 手近にあるコップの水でもお茶でもまずかけてください。その後も流水で冷やし続けることが必要です。服を脱がせようとすると、皮膚を損傷してしまうことがあるので、そのまま水をかけてください。また、水疱(水ぶくれ)を破ると、感染を起こす可能性があるので、できるだけ破らないように気を付けてください。

次に、局所治療として消毒を施しながら、経過を診ます。全身に熱傷がある場合、凝抂幣紊稜傷面積が成人の場合20%、小児の場合10%を超えると全身状態が悪化するため、入院治療が必要です(広範囲熱傷では全身性炎症反応症候群 SIRSや創感染が起こりやすいため)。

広範囲熱傷では、体液が急速に喪失し、脱水による低容量性ショックが起こる可能性があるので、乳酸リンゲル液の大量輸液が行われます。また、植皮を行うことも考慮します。

皮膚移植が成功して、なによりですね。小腸移植を受けるため、日本へやって来たアーバちゃん一家のように、こうした国際的な医療支援ができることの尊さを垣間見えたように思います。

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