「実は男性の冷え性は増えているんですよ」とは、全国冷え症研究所の山口勝利先生。「10年前の開院当時はゼロでしたが、最近は患者の15%ほどが男性ですね」

それはナゼ?

「現代の男性の生活習慣が原因だと思います。朝はコーヒーにパン食。ランチは肉類が多い。空調の効いた部屋でずっと仕事をして、夜は居酒屋で揚げ物で一杯。帰宅後は湯船に浸からずシャワーでしょ。挙げた食材は、東洋医学ではどれも体を冷やすとされているもの。空調や入浴も含め温まる暇がないので、体は冷える一方です」

世の男性、ほとんど当てはまりそうですが、この冷え性で何が起こるんでしょう?

「私の研究では、(1)免疫力が低下して、突然花粉症になったり、なかなか風邪が治りにくくなる。(2)太りやすくなる。(3)自律神経が乱れて、肩こりや頭痛に敏感になる。(4)内臓の働きが弱くなって疲れやすくなる。(5)うつ傾向になる」

どれも覚えアリなんですが、うつまで!?

「朝起きられない。会社に行きたくない。よく出社拒否で『うつ病』と診断された方が、企業の健康組合の案内で当院に来られるのですが、そんな方の体温を測ると内蔵の温度が低いことが多いんですよ」

冷え症を防ぐためにはどうすれば?

「食生活を見直すのが一番簡単ですね。みそ汁にショウガをてんこ盛りで入れる。どうしてもお肉が好きな方は、温野菜をどこかでとる。特にニンジン、ゴボウ、レンコンなどの根菜。またカフェインを含んだ食品をとりすぎないこと。運動ではよく歩いて、せめて腹筋を鍛えましょう」

先生によると、自覚がない冷え症も多いとか。最近、体の不調で悩んでいる方は、一度冷え症を疑ってみては?
(オトコにも増えている!?“冷え性”。その原因と対策)


冷え性とは、身体の特定の部位のみを特に冷たく感じ、耐えがたい場合をいいます。腰が最も多く、ついで足が多いと言われ、冬に多く発生します。

冷え性の原因としては、自律神経失調による血管運動神経障害であり、冷えを感じる部分の毛細管攣縮による血行障害の結果、冷たく感じると考えられています。

更年期障害の婦人によくみられる症状ですが、そのほか自律神経調節異常や心身症でもみられます。原因によっては、ホルモン療法、自律神経調整薬などの薬物療法や心理療法などを行います。

ですが、「単なる冷え性」と思っていても、背景に重大な病が隠れている場合があります。以下のようなことに注意してください。
たとえば、「片足だけに冷えを感じ、触れてみると冷たくなっている」という場合があると、閉塞性動脈硬化症のことがあります。閉塞性動脈硬化症とは、足の血管で動脈硬化が進行し、狭窄ないしは閉塞をきたすために血流が悪くなってしまう疾患です。

足の血流が悪くなってしまうことで、様々な症状が現れてきます。たとえば、初発症状の一つに、間欠性跛行というものがあります。これは、「5分ほどウォーキングしていると、ふくらはぎが痛んで歩けなくなる。だが、しばらく休むと、また歩けるようになる」という症状です。この点が、単なる冷え性と大きな違いです。

そのほか、指趾(足の指)の痺れ、冷感、チアノーゼなどを伴うことがあります。

動脈閉塞が広範に及ぶと症状が高度となり、筋萎縮、阻血性潰瘍、壊死に陥ってしまうこともあります。最悪の場合、片足の切断も余儀なくされることもある怖い疾患です。

こうした症状がみられましたら、「単なる冷え性」と思わず、一度病院へ行かれることをお奨めします。

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