カメラ、音楽プレーヤー、ナビゲーション、翻訳など、ほとんどの機能を搭載した感もある携帯電話だが、NTTドコモが開発を進める「ウェルネス携帯」には、これまでの携帯にはない健康管理機能が満載されている。口臭の測定器や体脂肪計、脈拍計などを装備し、カロリー計算と連動した音楽プレーヤーもある。

画面上では歩数計や利用者の姿勢などが表示され、それらのデータをサーバーに送信すれば、健康状態の推移もチェックもできる。さらに、質問項目に答えることで、メンタル状態を検査することも可能で、常に健康管理を心掛けることができるようになっている。

ドコモのように端末そのものが健康状態を測定するわけではないが、携帯電話端末を活用した健康管理サービスは、ソフトバンク、KDDIも手がけており、携帯業界では「健康」はちょっとしたブームだ。

ソフトバンク子会社のソフトバンクリブラ(東京都)は10月、血圧計や体脂肪計などを専用モデムにつなぎ、携帯電話端末を介し情報をサーバーに送信すれば、パソコン上で健康状態を総合的にチェックできるサービス「ライフキャリア」を開始。「3年間で50万人の利用者獲得を目指す」(田辺顕能社長)と新規分野開拓に意欲的だ。

KDDIも健康機器メーカーのタニタと共同で、体組成計などで得たデータをサーバーに送り、携帯電話端末やパソコン上でチェックできるサービス「モニタリング・ユア・ヘルス」を開始している。

各社が携帯電話を使う健康関連サービスを相次ぎ手がけ始めた背景には、利用者の身近にある携帯電話が、きめ細やかに健康をチェックする機器として適しているという点がある。

さらに、政府が医療費抑制を目的に、予防医療の普及に力を入れていることも追い風だ。来年4月には、企業などによる社員の健康管理義務が強化される予定で、ドコモは「法人向けの健康管理ソリューションとして拡販したい」(丸山聡史・第三商品企画担当課長)と、携帯の新たな活用方法として各方面に働きかけていく構えだ。
(あなたの健康、ケータイが守ります)


政府の医療制度改革の目玉でもある「特定健診・保健指導」は、2008年4月から開始されます。

生活習慣病は、一般診療医療費の3割を占めると言われています。その生活習慣病の発症リスクが高まるとされるメタボリック症候群を予防するため、企業の健康保険組合や国民健康保険を運営する自治体に、40〜74歳の健診を義務化する制度を上記の「特定健診・保健指導」と称しているわけです。

だいたい、これまで行われてきた職場などでの定期健康診断に、特定健診の項目を追加する形に代えられるようです。この特定健康診査の対象となる人は、厚生労働省の推計によると5,600万人にも及ぶといわれています。そのため、対応を迫られる医療機関は大きな負担となるところも多いそうです。

保健指導の内容としては、医療機関や管理栄養士などから生活習慣病に関する知識を伝えたり、メタボリックシンドロームやその予備軍と判定されると食事や運動などの指導を、最高6ヶ月にわたり受けることになるそうです。こうした流れが、上記のような製品やサービス企画の後押しをしているようにも思います。

ただ、この健康ブームに、以下のような警鐘をならしているデータもあります。
日本人間ドック健診協会の発表によると、来年度から始まる40〜74歳の新しい健康診断(特定健診)の結果、受診者のおよそ5割が医療機関での診察が必要になる恐れがあることが分かったそうです。

特定健診の方法に準拠した検査を受けた約5万3,000人分のデータを分析した結果、血圧や中性脂肪、血糖などの検査数値について、厚生労働省が医療機関を受診する目安として定めた「受診勧奨判定値」を一つでも超えた受診者の割合が、49.7%に上り、65歳以上の高齢者では、54.6%となってしまうことを考えると、「基準が少し厳しすぎるのでは?」と思う側面もあります。医師も、「ご心配なさらずに…ですが、気を付けてください」という、どっち付かずの指導せざるを得ない場面もでてくるでしょうね。

一方で、健康診断を、5年以上受けていない30代が29%という、「健康に関して無頓着」という人が結構いるという事実もあります。どちらかというと、こういう人たちをどうにかした方が良いと思うのですが、健康に注意している人に、さらに指導して、無頓着な人は相変わらず放っておく、という何だかあまり改善していない結果にならないことを望みます。

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