北海道と東北5県の産業保健推進センターによる共同調査で、たばこを吸う人は吸わない人に比べ、うつ症状になりやすい傾向があることが分かった。特に「時々吸う」人の方がうつ傾向が強いという。

調査は昨年10月から今年2月にかけ、北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形の計9079人を対象に実施。米国立精神保健研究所のうつの判定基準「CES−D」を用い、16点以上で軽いうつ症状、26点以上は重度の鬱(うつ)病(びよう)とし、分析した。

男性のうつ症状の平均値は、たばこを「時々吸う」人が16・4、「毎日吸う」人が15・8で、「吸ったことがない」人の15・6を上回った。女性も「時々吸う」人が18・5、「毎日吸う」人が17・7で、「吸ったことがない」の15・8を大きく上回り、たばこを吸う人にうつ傾向が強いことを示した。

一方、飲酒とうつの関係では、男性の場合「ほとんど飲まない」人が16・5でうつ傾向が強く、「毎日飲む」人(15・3)を上回った。だが、女性は「毎日飲む」人(16・4)が、「ほとんど飲まない」人(16・1)を上回り、男女で異なる結果が出た。

北海道産業保健推進センターの三宅浩次所長は「たばこはストレス解消でなくストレス増大につながる。特に普段たばこや酒に慣れていない女性で影響が顕著だ」と指摘している。
(喫煙者はうつ症状になりやすい傾向)


日本での成人の喫煙率は1966年頃(男性83.7%、女性18.0%)をピークに、2006年では全体で26.3%(男性41.3%、女性12.4%)と減少傾向にあるといわれています。特に、60歳以上の男性の喫煙率は、ピーク時の約5分の2に低下しているといわれていますが、先進国と比較すると、日本の全人口の喫煙率はまだ高く、特に男性に関してはトップレベルであるといわれています。

喫煙の害は、死亡率の上昇だけに留まらず、COPDを始めとする呼吸機能の低下や動脈硬化、心筋梗塞などの循環器疾患との関連性、歯周病となるリスク、最近では喫煙者の方が認知機能低下のペースが速いことが示されています。

また、本人だけの問題だけではなく、受動喫煙も能動喫煙も、量に差はあるものの、同様の成分を吸入する行為であり、喫煙と同様の疾患リスクが増加する可能性があると考えられています。

特に、妊娠中に能動喫煙あるいは受動喫煙すると、流産、早産の危険性が上昇し、出生後の乳幼児突然死症候群(SIDS)、中耳炎、呼吸器感染症や行動障害などの罹患率が増加することも明らかとなっています。最近では、20代や30代の女性の喫煙率がほぼ横ばいですが、増加していることも問題とされています。

タバコは、中枢神経作動薬であるニコチンを含み、ニコチンには明らかな依存性があることが知られています。例えば動物実験において、レバーを押すことでニコチンを静脈内投与するような仕組みを作ると強化行動が起こります。ですので、依存症に鳴る前に、しっかりと禁煙教育などを行うことが重要です。特に、未成年者の喫煙はしっかりと抑制することが必要となり、今後は自動販売機などでの購入規制などが必要となると思われます。

喫煙の依存性は、喫煙者のうち5割以上の者が禁煙の失敗を経験しており、禁煙の成功率は5〜10%程度であるといわれています。その多くの原因が、禁煙を始めた際の離脱症状であり、自覚的にはニコチンへの渇望が生じます。喫煙者は「喫煙でリラックスできる」と表現しますが、実際は離脱症状を喫煙によって一時的に緩和しているに過ぎません。最近では、喫煙スペースが限られ、「吸えないストレス」のほうが大きいのではないでしょうか。

そこで、禁煙を試みるかも知れませんが、喫煙者は何度か失敗している経験がある人が多いといいます。その理由として、スイス系製薬会社のノバルティスファーマは禁煙に関するアンケート調査の結果にて、1年以内に禁煙に挑戦した人は2724人おり、このうち6割は「気合いとガマン」で禁煙に挑んでいたということが挙げられると思われます。一方、医療機関の禁煙外来を受診した人は3.6%。禁煙外来の治療内容について知らないとの回答は39.1%で、認知度が低いことが明らかになっています。

しっかりと禁煙なさりたい方は、以下のような方法を試みてはいかがでしょうか。
なかなか禁煙しようとしても、タバコに対する「心理的依存」、イライラなどの離脱症状(禁断症状)を起こす「ニコチン依存(身体的依存)」は、独りでは難しいものです。ぜひとも、「禁煙しよう」と決めたら、禁煙指導を受けられる病院(禁煙外来)を受診することをお勧めします。

禁煙外来では、全5回の診療を受けるのが一般的です。2006年4月から、一部の施設で禁煙治療が保険適用となりました。
初診では、治療法の説明の他、ニコチン依存度、喫煙の状況、禁煙の関心度などがチェックされます。また、呼気中の一酸化炭素濃度の測定、禁煙開始日の決定と「禁煙誓約書」へのサイン、次回診察日の決定を行い、治療のための禁煙補助薬の処方を受けます。

2回目および3回目では、2週間ごとに再診し、喫煙状況の問診を受けます。呼気中の一酸化炭素の測定を行い、禁煙補助薬の追加処方を受けます。以後は4週ごとに再診を受けます。

特に禁煙補助薬はニコチンの離脱症状(苦痛、不安、ふるえ、眠気)を軽減することができ、苦痛に満ちた禁煙から解放されます。また、カウンセリングにより、モチベーションを維持することが重要となります。

是非とも禁煙にチャレンジし、成功なさっていただきたいと思われます。

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