フグの肝臓を使った料理を紹介したテレビ朝日の情報番組「いきなり!黄金伝説。」(13日放送)について厚生労働省は19日、食品安全上問題が大きいとして、被害防止に適切な措置を講じるよう行政指導するとともに、再発防止策を報告するよう求めた。 

同省によると番組ではお笑い芸人がキンフグ(シロサバフグ)の肝を使った釜めしを調理し、ホームページでも調理法を紹介。厚労省は「調理行為をまねた場合、死亡事故にもつながりかねず、極めて遺憾」と指摘した。

テレビ朝日広報部は同日「指導を真摯に受け止め、今後の番組制作に生かしてまいります」とコメントを出した。
(フグの肝臓使った料理紹介番組で行政指導 厚労省)


番組は、13日に放送された「いきなり!黄金伝説。」で、タカアンドトシが宮崎県で捕れた毒のないフグ肝を使った釜飯料理を紹介した内容だったようです。ただ、食品衛生法は肝臓や卵巣など内臓について、フグの種類にかかわらず、全面的に食用禁止としているそうです。

厚労省の担当者は「国民の安全確保の観点から遺憾。素人調理は極めて危険なので絶対にまねしないでほしい」と話していることからも、視聴者が同様のことを行おうとすることを抑止したい、ということで今回の行政指導となったようです。

一般的に、フグの毒と言えばテトロドトキシンが有名です。ただ、スベスベマンジュウガニなどフグ以外にも含まれています。特徴としては、300℃以上に加熱しても、分解されません。そのため注意が必要であり、調理には免許が必要というわけです。また、ヒトの経口摂取による致死量は2–3mgであり、ごく微量で死に至ってしまいます。

ちなみに、どのようにして作用するのかと言えば、神経細胞や筋線維の細胞膜に存在する電位依存性ナトリウムチャネルを抑制することで、活動電位の発生と伝導を抑制します。つまり、筋肉の動きを止めてしまうわけです。結果、主な症状は麻痺として生じてきます。

最も恐ろしいのが呼吸筋の麻痺であり、呼吸困難が生じてきます。人工呼吸管理が必要となります。初期症状としては舌や唇がしびれ、指先のしびれなどが生じます。その後、頭痛・腹痛・嘔吐などを起こし、歩行や発声が困難になる恐れがあります。最悪の場合、呼吸困難・意識障害になり死亡に至ることもあります。

解毒剤や血清は開発されておらず、吐き出させたり呼吸困難が収まるまで、人工呼吸器をつなげることが唯一の治療法となります。

最近のトピックスとしては、以下のようなものがあります。
最近では、2005年に佐賀県の業者が河豚毒の発生しない養殖法を開発し、河豚肝を食用として提供出来るよう特区申請をしましたが、100%の保証が現時点では出来ないと判断され却下されています。

フグは毒を含む海底生物を食べることで有毒化する(海洋細菌のビブリオ属やシュードモナス属の複数の細菌種が一次生産者であることが知られています)、との仮説に基づき、全国8か所で海底の有毒生物から遮断する「囲い養殖」を行い、約5千匹の無毒化に成功したそうです。ですが、調査会では毒を混ぜた餌を与えても毒化しないフグもあることから、保証することが難しいのではないか、と考えられています。

たしかに、無毒なものを調理して食べたようですが、視聴者が真似をして素人判断での危険な調理に至ることも考えられます。やはり、大きな影響力を持つテレビ報道のありかたとして、不適切ではなかったかと思われます。

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