新潟大医歯学総合病院は21日、脳出血の患者に今月実施した緊急開頭手術で、頭の左右を間違えて切開し、2カ所の穴を開ける医療ミスがあったと発表した。患者は手術前からの昏睡状態が続いているという。

病院によると、12月、入院中の患者が脳出血で昏睡状態となり、夜間に緊急で開頭手術をした。本来は頭の左側を切らないといけないのに、右側の皮膚を切り、2カ所に穴を開けたところで、左右を誤っていることに気付いた。直ちに縫合し左側を開頭したという。

院内に設置された医療事故対策委員会は、夜間の緊急手術で医療スタッフが少なかったことや、手術する部位の確認が不十分だったことが原因との見方を示した。

病院側は「ミスによって容体が悪化したわけではないが、今後は手術部位の確認を徹底し、再発防止に努めたい」としている。
(頭の左右誤って切開 新潟大病院)


平成17年に、愛知県がんセンター中央病院で、同市の50代の男性結核患者を肺がん患者と取り違え、肺の一部を切除していたことが今年9月に明らかとなっています。男性は、呼吸困難などの後遺症を訴え、約5,000万円の損害賠償を求めていました。

また、今年の7月には、奈良県の天理市立病院で直腸がんの男性患者(65)の正常な胆嚢を摘出する医療ミスがあったと発表しています。胆嚢を患った別の患者のコンピューター断層撮影装置(CT)のフィルムを男性のものと間違えたのが原因といいます。

こうした患者さんの取り違え事故は、非常に大きな問題となります。本来ならば手術を不要としていた患者さんが、手術によって不利益を被り、その後の人生に大きな影響を残します。

事故の教訓を受け、ガイドラインを作成し、以下のように再発防止策を講じた病院があります。
1999年1月11日、横浜市立大学医学部付属病院で、それぞれ心臓と肺の手術をする予定であった2人の男性患者を取り違えて手術し、手術が終わるまで間違いに気がつかなかった、という医療事故が発生しました。これを受け、オリジナルデータ(患者認識の方法やカルテ)を正しく伝達していくための工夫や、手術日以前、前日、当日などに分けて細かな再発防止策を講じています。

たとえば、顔や髪型といった特徴は、手術室でチューブ類が装着されると異なって見えることがあります。また、よく似た患者さんが同時に手術することも考えられるため、外見的特徴や自己申告を重要視するとともに識別用バンド(IDバンド)を装着したり、取り違え事故防止という目的を説明し、同意を得た上で患者さんに目印を付けるといったことを行っているそうです。

ただ、取り違えられるのは、患者だけではなく、「輸血用血液」「検査結果」「薬」「薬の投与量」など、いずれも致命的ともなりうるものも間違われる可能性があります。他にも、検査時のレントゲン、CT写真や生検標本など、さまざまな取り違えが起こる可能性もあります。

現在では、手術前に患者さんに名前を尋ねたり、ICタグの装着などが徹底していたり、薬品や輸血の投与前にはダブルチェックなどがしっかりとなされているところが多いと思われますが、ヒューマンエラーというのは必ず起こるのだという前提に立つことが重要であると思われます。一度起こってしまうと、患者さんにとっても不幸ですが、調査を行っても原因究明が難しく時間がかかるといったこともあります。大きな事故に至る前に、日々の中でしっかりと「ヒヤリ」とした事例などに関してスタッフ間で話し合うことが重要であると思われます。

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