「からだ測定」では、自分の状態を把握することで日常の健康管理を効率的に行える。測定できる項目は、自分の体重とBMI、重心だ。BMIとは、身長と体重の比率から算出した体格指数で、やせぎみ・標準・太りぎみ・太りすぎの4つから現状を教えてくれる。一方、重心は自分のからだの重心バランスのことで、正しい重心バランスを身につけることで姿勢を改善できる。

早速BMIの測定を行ったところ、「太りぎみと」の結果が出た。「WiiFit」では減らしたい体重と、それに要する期間を設定することでダイエットの目標を設定できる。後述する4つのジャンルのトレーニングにより、毎日の継続した運動でからだを引き締めて体重を減らそうというわけだ。

体重の重心を測定してみたところ、「ちょっと左重心デスね。」という結果。ちなみに筆者は、ショルダーバッグを左肩に掛ける癖があるため、予想通りに重心は「ちょっと右重心デスね。」だった。

なお、実年齢と運動能力から「バランス年齢」を算出することができる。実年齢よりも年とっていれば、からだはそれだけ衰えているというわけだ。

「トレーニング」では、バランス感覚を養うための「バランスゲーム」、体内の脂肪の燃焼を促進させる「有酸素運動」、からだの引き締めや柔軟性のあるからだ作りをサポートする「ヨガ」、からだの部位を引き締める「筋トレ」という4つのジャンルのトレーニングが楽しめる。それぞれのトレーニングで運動した時間は、運動貯金として蓄積され、運動貯金が増えると新しいトレーニングが追加される仕組みだ。
(ダイエット&メタボ対策の新兵器!「WiiFit」で健康管理)


ゲームは、医療などの分野にも活用され始めています。アメリカでは、既に各分野の研究者、医師などがゲーム業界と協力し、医療・政治や社会問題をテーマにした「シリアスゲーム」という分野が確立しているそうです。

こうした中、ゲームセンターで知られるナムコは「太鼓ゲーム」や「もぐらたたき」のようなゲームを改良し、医師の協力を得て高齢者向けにリハビリ用ゲーム機器を開発しています。福祉医療施設にゲームセンターを設置し、高齢者が楽しみながらリハビリ・健康維持できるよう試みを始めているそうです。

米オハイオ州立大学メディカルセンターのドッドホールリハビリテーション病院や、アルバータ州にあるリハビリ病院では、Wiiを脳梗塞後のリハビリに用いているそうです。また、患者さんはWeb接続機能も利用して、脳の機能を回復させる目的でニュースや天気予報などの情報を調べている、とのこと。

もちろん、Wiiが従来のリハビリの代わりになるわけではなく、リハビリに関連した具体的な目標を達成する手段として用いているそうです。ただ、楽しみながらリハビリができる、ということは精神的にもプラスになるのではないでしょうか。

さらに、上記ニュースでは、メタボリックシンドロームの改善にも用いられそうだ、ということを示しています。現在では、以下のようにメタボリックシンドローム対策に政府はやっきになっている現状があります。
メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満(内臓肥満・腹部肥満)に高血糖・高血圧・高脂血症のうち2つ以上を合併した状態をいいます。

それぞれ単独でも、リスクを高めますが、これらが多数重積すると相乗的に動脈硬化性疾患の発生頻度が高まるため、リスクが重なった状態はハイリスク群として予防・治療の対象と考えられています。近年では、特に内臓脂肪の蓄積による肥満が共通の基盤として着目されています。

京都大経済研究所の古川雅一研究員によると、標準体形の男性が20Kg太ると、糖尿病や高血圧になりやすくなり、年間医療費が2.5〜1.3倍に跳ね上がるとの推計が出ています。

体重64Kgの男性が20Kg太ると、新たに発症したり持病が悪化するなどして糖尿病に関する医療費が2.5倍に増加。高血圧性心疾患では1.3倍に増えるそうです。女性では54Kgの人が17Kg太ると、それぞれ同じ程度の医療費増が予測されています。

たしかに、糖尿病に対する血糖降下薬やインスリン注射、高血圧に対する降圧薬、高脂血症に対する脂質降下薬など、こうした薬剤は長期にわたって飲み続ける必要があり、医療費の面では大きな負担となります。そして、それ以上に患者さんの生活上の負担や経済的な負担となります。

そこで、医療費削減のためにも、メタボリックシンドロームの改善を目指して政府も取り組み始めた、ということであると思われます。その一つとして、政府の医療制度改革の目玉でもある「特定健診・保健指導」は、2008年4月から開始されます。

生活習慣病は、一般診療医療費の3割を占めると言われています。その生活習慣病の発症リスクが高まるとされるメタボリック症候群を予防するため、企業の健康保険組合や国民健康保険を運営する自治体に、40〜74歳の健診を義務化する制度を「特定健診・保健指導」と称しているわけです。

保健指導の内容としては、医療機関や管理栄養士などから生活習慣病に関する知識を伝えたり、メタボリックシンドロームやその予備軍と判定されると食事や運動などの指導を、最高6ヶ月にわたり受けることになるそうです。

医師や栄養士さんからうるさく言われる前に、wiiでダイエットや健康管理を始める、というのも良いかもしれませんね。

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