川崎病の後遺症で心筋梗塞を起こした千葉県富津市の小学5年、金子亮祐君(11)が9日、心臓移植手術を受けるため家族らとともに渡米した。ドナーが決まり次第、カリフォルニア大ロサンゼルス校病院で手術を受ける予定。

支援する「りょうすけ君を救う会」によると、昨年9月から始めた募金は1月7日までに、全国から目標額を超える約1億4,200万円が寄せられた。

両親らは出発前に成田空港で記者会見し、母親の桂恵さん(40)が「皆さんのおかげで心臓移植を受けられるのがとてもうれしい。頑張って元気になって帰ってきます」と亮祐君のコメントを読み上げた。

父親の豊さん(42)は「心筋梗塞の発病以来、生と死の間で命をつないでいる状態だった。全国からたくさんのお金と励ましの手紙をいただいたことでこの日を迎えられた」と話した。
(小5の金子亮祐君、心臓移植で渡米 「頑張って元気に」)


川崎病は、主に4歳以下の乳幼児に好発し、全身の血管炎を特徴とする原因不明の急性熱性疾患です。別名「小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群」とも呼ばれます。その名の通り、主要症状は以下の6つです。
5日以上続く原因不明の発熱(ただし治療により5日未満で解熱した場合も含む)
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四肢の末端が赤くなったり堅く腫れる(手足の硬性浮腫、膜様落屑)
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ジ唇が赤く爛れる、いちご舌、口腔咽頭粘膜のびまん性発赤
μ議棒の非化膿性頸部リンパ節腫脹

以上6つの主要症状のうち、5つ以上を満たすものを本症と診断します。
ただ、上記の診断基準に合致しなくとも、経過中に断層心エコーもしくは心血管造影法で冠動脈瘤が確認され,他の疾患が除外されれば本症とする場合もあります。

特異的に冠動脈をおかし、拡大性病変(冠動脈瘤)を形成することが多いです。ですが、心血管系以外にも胆嚢腫大、脳炎はじめ多くの全身の合併症も起こすこともあります。

初発症状は発熱であることが最も多く、同時あるいは3〜4日のうちに他の主要症状が出現してきます。6ヶ月未満の乳児では、頸部リンパ節腫脹や口唇の発赤、四肢末端の硬性浮腫などは軽度のことが多く、診断する際に迷うことがあります。

川崎病で注意すべき点としては、以下のような点があります。
川崎病では、特異的に冠動脈をおかし、拡大性病変(冠動脈瘤)を形成することがあります。ですが、心血管系以外にも胆嚢腫大、脳炎はじめ多くの全身の合併症も起こします。

心合併症は、全患者の15〜20%に合併するといわれています。急性期初期では、心筋炎、心筋機能障害、僧帽弁閉鎖不全、心膜液貯留(心膜炎)などが起こります。急性期後期(7病日以後)から回復期(1か月まで)にかけては、冠動脈の拡大または冠動脈瘤が形成されることがあります。

急性期の死因としては、心筋梗塞や巨大冠動脈瘤破裂が問題となります。障害された血管内皮細胞部位には、血小板が付着し血栓が形成されやすくなり、心筋梗塞などの原因となると考えられます。

冠動脈瘤発生の予防には、大量免疫グロブリン(ただ、血液製剤であり、投与前に保護者の承諾の署名を必要とする)とアスピリンの併用が基本となり、川崎病の治療には重要です。原則として、発病から7日目までに施行することが望ましいと考えられています。ですが、急性期に冠動脈瘤のみられなかった例でも、急性期後2〜3ヶ月はまだ,血小板凝集能が亢進していることが多く、抗血小板療法を続けることが勧められています。

金子亮祐君の場合も、川崎病の後遺症により心筋梗塞が起こってしまい、結果として心臓移植が必要となってしまったようです。川崎病の患者数は増加しており、平成17、18年には2年連続で1万人を超えたことが中村好一・自治医科大教授らの全国調査で分かっています。

ガンマグロブリンの大量投与により、死亡例は減少し、17、18年に亡くなった患者は各1人で、かつて2%を超えた致死率は0,01%になっています。ですが、1〜2割の患者には効果が薄く、後遺症が残るケースは調査でも3.8%であり、子供の後天性心疾患のうち川崎病が原因のケースが最多を占めるといいます。今後、原因究明を含めた治療法や予防に関する研究が進めば、と期待されます。

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