俳優、緒形拳(70)が、腰椎圧迫骨折で入院、手術を受けていたことが分かった。腰椎圧迫骨折とは、骨粗しょう症や転倒などの影響で脊椎を構成する腰椎に強い力が加わり、その圧力で骨がつぶれるものであり、自身で明らかにした。手術は成功し、12日退院する。

これまで大病やけがとは無縁のイメージだった緒形だが、昨年はHNKの大河ドラマ「風林火山」に出演した後、10月21日の福岡を皮切りに、11月25日の長野まで、再演となるひとり舞台「白野」の地方巡業(10カ所14公演)をこなしてきた。この間、激しい腰痛を抱えていたという。

終演後の12月は、マッサージなどで自宅療養をしていたが痛みが治まらず、精密検査の結果、腰椎圧迫骨折が判明した。このため、つぶれた背骨に特殊なセメントを注入して固定する「椎体形成術」を受けた。

緒形はブログで『おかげさまで手術は大成功! 明日、退院する運びとなりました。これから、リハビリを開始。あせらず、ゆっくりと体調を戻していきます』と、元気な様子を報告している。
(緒形拳、腰椎圧迫骨折してた)


脊椎の圧迫骨折とは、脊椎椎体が上下からの圧力によって破壊されてしまい、骨折してしまうことです。もともと骨粗鬆症など、骨の脆弱性をもっている人が発症することが多く、高齢者に多いといわれています。たとえば、重い物を持ち上げるなどの日常生活動作で発症する場合が多いようです。

症状としては、腰背部の運動痛が主で、神経の損傷を伴って麻痺を生じることもあります(ただ通常は、椎体の後壁は温存されていて、麻痺を呈することはなく、保存療法によって骨癒合に至ることが多いようです)。椎体骨折に伴う脊柱の変形により、体が右や左に片寄ってしまうことは、身体的や精神的健康状態を悪化させてしまい、問題になります。

診断のための検査や治療としては、以下のようなものがあります。
脊椎圧迫骨折は、胸腰椎移行部に多いといわれています。こうした部分の骨折を、レントゲン写真でみます。そこで、椎体の高さが減少しているかどうかなどをみるわけです。MRIでは、急性期に病変部の出血や浮腫を反映することもあります。

高齢者の場合では、脊椎腫瘍、特に転移性脊椎腫瘍が原因となっている場合もあります。そのため、こうしたものを鑑別する必要もあります。他には、結核などを主体とした、感染性脊椎炎を疑います。

治療としては、体幹ギプスまたは体幹装具による保存療法、手術療法などを行います。麻痺を起こした粉砕骨折や、6ヶ月以上の強い腰背部痛が持続する場合などでは、手術を考慮します。手術の目的としては、神経除圧および脊柱の再建などです。通常、2椎間以上の椎間固定術が必要となることが多いようです。

手術は成功されたとのことで、なによりです。強い腰痛の中、舞台をこなされているということに驚きました。「あせらず、ゆっくりと体調を戻していきます」とブログにもあるようです。再びテレビなどで拝見する日を楽しみにしています。

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